芸能

放送作家・鈴木おさむさんが語るテレビの現状と復活への茨の道「若者偏重の番組作りは危険」

鈴木おさむ氏

鈴木おさむ氏

 かつて“最強メディア”として絶大なる影響力を持っていたテレビはいま、その輝きを失いつつある。2019年にはインターネット広告費がテレビを超え、芸能人の中にもテレビを離れYouTubeなどに活路を見出す人が現れている。テレビが栄光を取り戻す日はくるのか──。放送作家として多くの人気番組を手掛けてきた鈴木おさむさん(50才)に話を聞いた。

 * * *
 年末年始のテレビを見ていても、出ている人が楽しそうな番組はやっぱり視聴率もいいですよね。それには相当、裏方が汗をかいているのがわかります。昨年のクリスマスには奥さん(森三中・大島美幸)が出ていたので『世界の果てまでイッテQ!』を見ましたけど、この時代に海外ロケとかどれだけ頑張ったんだろうって。そうやって汗の総量を感じられる番組はやっぱり面白いですね。

〈鈴木おさむさんは『夢で逢えたら』(フジテレビ系・1988〜1991年)を見て放送作家を志し、19才で作家デビュー。以降『笑っていいとも!』(フジテレビ系・1982年~2014年)や『SMAP×SMAP』(フジテレビ系・1996〜2016年)、『クイズプレゼンバラエティ Qさま!!』(テレビ朝日系・2004年〜放送中)、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系・2001年〜放送中)など名だたる人気番組を担当してきた。超人気放送作家の家庭でもテレビ離れは起きているという〉

 現在7才の息子はYouTubeを見ながらゲームをやったりして、テレビを全然見ません。彼にとってテレビは完全にモニターです。でもそれがいまのリアルだと思うんですよ。娯楽の選択肢がこれだけある中、若い人たちが地上波のテレビをリアルタイムで見る(以下、リアタイ)って相当レアなこと。

 でも、だからってテレビを切り捨てるつもりはないですよ。テレビは大好きだし、テレビにはテレビのよさがありますから。

〈ラジオや舞台、映画、ネット配信など“テレビ以外”でも活躍する鈴木さんから見た、テレビのよさとは?〉

 生活の中で“風景になれる”ことじゃないかなあ。時計代わりになったり、雰囲気を感じたり。これはNetflixにはできないこと。それに情報番組の情報量の多さ、わかりやすさ、再現ドラマのクオリティー……これはテレビだけが持っている長所だと思います。

 出る側としては、認知されるっていうこともテレビの特性でしょうね。その点テレビでもYouTubeでも人気のチョコレートプラネットやさらば青春の光なんかは、すごいと思います。テレビで認知させて、YouTubeで自分たちの頭脳を見せている。そうやって両方大事にすることが、これからは重要になると思いますね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン