穴党なら特に騎手との“相性”は気になるもの。だが、客観的なデータも重要だ。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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2022年度に行なわれたJRA全3455レースのうち、単勝オッズ50倍以上で馬券圏内にきたレースを調べてみた。人気薄に騎乗しても強かに上位を狙ってくるのはどういう騎手たちなのだろうか。
人気薄の馬を馬券圏内に持ってきた回数が最も多かったのは、38勝でリーディング30位の津村明秀騎手。6月の3歳未勝利戦、17頭立ての15番人気単勝243倍のセッタレダストで1着になったのを始め、単勝50倍以上の馬を19回も馬券圏内に持ってきており、その際の複勝平均は1100円超。全38勝のうち17勝は4番人気以下、うち12勝は単勝オッズが10倍以上で単勝回収率も100%超という穴党の神様だ。
川田将雅騎手や藤岡佑介騎手、吉田隼人騎手と同じ競馬学校20期の中でも抜けた存在と言われ、アイルランド大使特別賞も受賞している。どんな馬でも「乗りこなす」技術は競馬サークルの中でも評判で、関西の調教師からの評価も高く、夏のローカルなどでは騎乗依頼が多い。
人気薄の固め打ちも多く、8月13日、14日の新潟では2日間で14Rに騎乗。土曜2Rで118倍の8番人気馬を、9Rでは94倍9番人気馬を、翌日曜9Rで69倍11番人気馬をそれぞれ3着に持ってきた後の重賞関屋記念で、62倍12番人気のシュリを2着に持ってきている。ちなみに今年はすでに7勝、1月8日1Rでは単勝80倍の馬を勝たせている。
秋山稔樹騎手は騎手になって3年目の昨年、20勝2着18回3着31回という成績だったが、うち1着2回2着4回3着10回は単勝50倍以上、その半数は100倍以上だ。12月10日には2Rで57倍11番人気を、3Rで208倍11番人気を続けて3着に持ってきている。