ライフ

「たれぱんだ」「リラックマ」を生んだサンエックス そのオリジナルキャラクターの歴史

人気のキャラクターを生んだ

数々の人気キャラクターを生んだ 画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)
(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 たれぱんだ、リラックマなど、ストーリー性のあるちょっぴりネガティブなところや、立体のかわいさが人気のサンエックスのキャラクターたち。これまでに生み出された数は、なんと1000を超える。

 サンエックスの前身は、1932年、先代の千田杏三さんが創業した「チダ・ハンドラー」という会社で、昨年創業満90年を迎えた。当時は主に文具の製造や販売をしていたが、1973年に社名を変え、1979年に自社でキャラクター(以下、キャラ)のデザインを本格的に開始し現在に至る。

「世の中にオリジナルのキャラが出回り始めた頃、弊社でもキャラ制作に乗り出しました。初めて商品化したのが『ロンピッシュクラウン』です」(広報担当・富田杏奈さん・以下同)

 1980年代に入るとファンシー雑貨ブームに突入する。

「当時のファンシーグッズは目新しいものが人気で、いまのように1つのキャラの商品を数多く、また、何年も継続して販売しようとする動きはあまりありませんでした」

 そんな中、1998年に「たれぱんだ」がヒットしたことで、新たな道が開かれる。

「『たれぱんだ』が幅広く受け入れられたことで、キャラの自社商品化以外の新たな可能性に気がついたんです。

 その経験を生かして生まれ育ったのが、今年で20周年を迎える『リラックマ』です。それまでシールやノートなど文房具が主流でしたが、書籍や映像など新たな分野にも進出するようになりました」

 新キャラの発売頻度も見直され、いまは年に1〜2キャラを厳選し、販売するようになった。

「現在、所属しているデザイナーは女性を中心に約40名います。自社ですべてのキャラを考えており、新人にも新キャラ発表の機会が与えられています。少しネガティブだったり、自信がなかったり、人々に共感し寄り添うキャラが多いのが特徴です。一見無表情に見えるコでも、人によっては笑って見えたり悲しんで見えたり、何かストーリーを感じられる想像の余地があるコが多いですね」

 その優しさのあるキャラたちの歴史を見ていこう。

サンエックスオリジナルキャラ年表

 1000を超えるサンエックスのオリジナルキャラクターの中から、その一部を紹介する。

1979年:ロンピッシュクラウン
 1979年、サンエックスがオリジナルキャラクターの制作に着手して、初めて商品化され登場したのが「ロンピッシュクラウン」。ピエロをメインに星をちりばめたキャラで、当時の文具には欠かせないレターセットや鉛筆のキャップ、カンペンケースなどが発売された。当時のキャッチコピーは「はじけるリズム ピエロが踊る赤と黒のハーモニー」。

1980年:ボビーソクサー

アクアマリン

アクアマリン 画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

1980年:アクアマリン
「ロンピッシュクラウン」に続き、その翌年発売され、ヒットした「アクアマリン」。イルカやクジラなど、海の生き物がモチーフに。初期のものからデザインやロゴ、色味をより目立つように変更した後、幅広く商品化されたシリーズ。キャンディモチーフの「ボビーソクサー」と、車モチーフの「ビートルフリーク」も同時期に発売されヒットした。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン