芸能

昭和ブームは続行?終焉? 鍵を握るダウンタウン、世代間の融合を実現できるか

『笑ってはいけない』が今年は休止なので…(時事通信フォト)

Z世代との番組が再び(時事通信フォト)

 テレビ各局が「昭和」をテーマにした番組を量産しているが、このブームの行く末を左右するのがあのダウンタウンだという。いったいどういうことか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 4日(土)19時から3時間特番『ダウンタウンvs Z世代』(日本テレビ系)が放送されます。この特番のコンセプトは、「今では考えられないことが、昭和では当たり前だった? 暮らし、商品、恋愛、人物や発言など……あらゆるジャンルの“ヤバイ”昭和について『今でもアリ!』『それともナシ?』をダウンタウン&昭和世代とZ世代のタレントがトークバトル」。

 昨年8月13日(土)に「ダウンタウン6年ぶりの日テレ新特番!」と掲げて放送され、個人8.4%・世帯12.5%の高視聴率を獲得したほか(ビデオリサーチ・関東地区)、各世代からの反響が大きかったため、すぐに民放各局が「昭和をフィーチャーする」という企画に追随。音楽番組での昭和特集をはじめ、さまざまな番組で昭和絡みの企画を増やし、9月29日にレギュラー放送がスタートした『ニンチド調査ショー』(テレビ朝日系)も昭和を前面に押し出した番組であり、大きな影響を及ぼしています。

 だからこそ第2弾の放送となる今回は業界内の注目度が極めて高く、「再び成功を収めたら昭和ブームは続行だろう」「もし失敗に終わったら昭和ブームは終焉に向かうのではないか」とみなすテレビマンが少なくないようです。

 では、なぜ昭和の企画は視聴率や反響を得られ、今回はどんな結果が予想できるのでしょうか。

自信満々の「パワーアップ」宣言

 昭和ブームが幅広い世代に広がったきっかけが『ダウンタウンvs Z世代』だったことは間違いないでしょう。しかし実際のところ、若年層を中心にした昭和ブームは数年前からはじまっていました。TikTokなどで昭和の歌やアイドルが流行しているほか、昭和のファッションやインテリアを日常に採り入れたり、昭和のムードが漂うスポットを訪れてSNSにアップしたりなど、若年層の間で昭和はトレンドの1つになっていたのです。

 ただそれでも若年層の間で流行っているだけでは、社会的なブームまでは至りませんでしたが、お盆の大型特番として大々的に扱い、しかもダウンタウンの冠番組だったことで、年上の世代にも一気に波及。そもそも昭和の時代を生きた40代以上の反応がいいのは当然でしょうが、「若年層との会話やSNSでのやり取りにもつながる」というメリットが盛り上がりにつながった感があります。

 前回の放送では、昭和の暮らし、子ども、学校、ヒット商品、恋愛・結婚、バズった人、さらに「松本人志が広めた言葉」がフィーチャーされました。今回の放送でも、昭和の子ども、暮らし、刑事ドラマなどの前回に近い内容が予告され、さらに「“ヤバさ”がパワーアップ」というコピーを打ち出しています。

この「パワーアップ」というフレーズは、「まだまだ昭和のネタや映像のアーカイブが豊富にある」という自信の表れではないでしょうか。制作サイドの中に「人々が昭和ネタに慣れてしまい、“ヤバさ”を感じなくなるのはもう少し先」という勝算があるのかもしれません。

 しかし前述したように、昨年8月に第1弾が放送されてからの約半年間、さまざまな番組で昭和が扱われてきました。ところが『ダウンタウンvs Z世代』のように視聴率や反響を獲れている番組は少なく、ブームが落ち着いて飽きられはじめているようにも見えるのも事実。そんな他局の番組を見てきた日本テレビの制作サイドは、どんな昭和の映像を用意し、どんな編集や演出で笑いにつなげていくのか……やはりダウンタウンのトーク力に頼るところも大きいのではないでしょうか。

 日本テレビは手堅く視聴率を獲るバラエティの編集や演出が得意なだけに、もし再び成功させたら、他局にとって1つのお手本のような番組になるでしょう。また、逆に「もし“日テレ×ダウンタウン”で不発に終わったら、昭和ブームも潮時かな」という決断のきっかけにつながる可能性は高いのではないでしょうか。

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト