世界では今、ガソリン車から電気自動車(以下EV)への移行「EVシフト」が爆速で進行している。EUのE V普及率は15%、中国は20%超、北欧ノルウェーではなんと80%がすでにE Vだ。
残念ながら日本のE V普及率は1%と世界から遅れをとっているものの昨年、トヨタ、日産など国産メーカーが相次いで本格的なE Vを発売。なかでも日産と三菱が共同開発した軽自動車EV、日産サクラと三菱ekクロスは2022- 2023日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を受賞し、スマッシュヒットとなっている。こうした動きに、E Vへの買い替えを検討いる方もいらっしゃるのではないだろうか。そこで日本初のE V専門ジャーナリストで、YouTubeチャンネル『E Vネイティブ【日本一わかりやすい電気自動車チャンネル】』を運営し、小学館新書から『EVショック』を上梓した高橋優氏がE Vの買い方選び方のポイントを指南する。
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まず確認したいのは充電環境
E Vとは、ガソリンの代わりに、車が搭載している大容量のバッテリーから供給される電気のみで動く車のことだ。スマホのバッテリーと同様、使えば充電残量が減り、定期的に充電が必要になる。高橋氏が購入前にチェックしてほしいと力説するのが、この充電環境だ。
「実際にEVを購入する上で最も重要になってくるのが、充電環境です。基本的には、自宅に普通充電器を設置するか、もしくは近隣の自動車ディーラーや公園、 ショッピングセンターなどに設置されている急速充電器を定期的に利用するか、という選択になります。
オススメは、自宅に普通充電器を設置することです。一度、この基礎充電環境を整備してしまえば、内燃機関車のように定期的にエネルギー補給のためにガソリンスタンドに赴くなんてことをしなくてもよくなるので、スマホのように帰宅した後の自宅充電によって、EVが内燃機関車(ガソリン車)より利便性の高い乗り物となるのです」(以下、「」内は高橋氏)
EVを発売している各メーカーは、10万円前後で自宅充電の設備を設置してくれるという。しかし、マンションなど集合住宅の場合は、すぐに自宅充電を設置できないケースも多い。近隣の急速充電器を定期的に利用する運用方法はどうなのだろうか。
「急速充電器を定期的に利用する運用方法は、定期的に近隣のガソリンスタンドで給油を行う内燃機関車の運用方法と全く変わりません。EVは一回の充電に30分以上を要してしまうため、EVが内燃機関車よりも不便なクルマとなることをまずは認識してください。しかし、それでもEVの乗り心地や先進性、環境への貢献などに魅力を感じるのであれば、購入もありだと思います。ただ、充電のために時間を作るという手間が必ずつきまとうことは忘れないでください」