警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、連続強盗事件の指示役たちが収容されているフィリピンの入管施設と汚職まみれのフィリピン社会について。
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連続強盗事件の指示役であるとみられている「ルフィ」を名乗る者らが収容されているというフィリピンの入管施設「ビクタン収容所」には、これまでも日本から逃げていった日本人犯罪者が収容されていたことがある。最近の目立った例でいえば、海賊版サイト「漫画村」運営で国際指名手配され2019年にフィリピンの空港で逮捕された星野ロミ氏や、2018年に「積水ハウス」から多額の金をだまし取った地面師事件の主犯格、カミンスカス操受刑者がいた。
日本と犯罪人引渡し条約を結んでいないフィリピンは、昔から広域指定暴力団やその周辺の人たちにとってお馴染みの逃亡先だったため、入管施設の事情にも彼らは詳しい。最近の動向も見知っており、カミンスカス受刑者が収容されていたときには何社ものメディアが面会に訪れて取材していたが、「今の騒動ほどではなかった」と暴力団幹部は話す。ビクタン収容所の様子はすでに多くのメディアで報じられているが、幹部も「金を払えば、快適な場所だ」と話す。
ビクタン収容所はマニラ郊外の警察所敷地内にある入国管理局が管轄する施設だ。施設は高い塀と有刺鉄線に囲まれ、逃走防止対策が図られているが、「収容された日本人が逃走することはまずない。日本で逮捕状が出ていれば、街の中を自由に歩いているより、収容所にいる方が安全だ」と苦笑する。
「収容されていても金次第でなんでも手に入る。自分が知っていたヤツは、職員に賄賂を渡してスマホを持っていた。欲しい物があると『差し入れしてくれ』と日本まで電話してくるから、マニラにいる知人女性に地下銀行や仮想通貨で金を送り、要求された物を買って届けてもらった。収容所の中でも旨いものを食べるのに、職員に賄賂を渡すから、金が必要だ。送ってくれないかと頼まれたこともある」(幹部)
差し入れにいっても、日本のようにピリピリと堅苦しい雰囲気はないらしい。