中日・高橋宏斗が春季キャンプで大幅なフォーム改造を敢行し、首脳陣からストップがかかった。取材するテレビ局関係者が、振り返る。
「投球フォームがオリックス・山本由伸にうり二つになっていたので驚きました。左足をほとんど上げずに、体を縦に使う意識のフォームで、昨年までの面影が全くなくなっています。山本と昨年12月から2か月間一緒に自主トレをしたことで、大きく影響を受けたのでしょう。ただ、高橋宏には彼ならではの良さがある。2月3日のブルペンで新フォームで投げ込んでいたところ、立浪(和義)監督からストップが入り、厳しい表情で話し込んでいた。首脳陣とすれば、去年の良い形が消えてしまう危惧があったのでしょう」
日刊スポーツの報道によると、立浪監督は「そういうことも投手コーチと話しながら(やってほしい)。全部が全部、(山本と)いっしょにしようとするとおかしくなると思う」と高橋宏のフォーム改造に苦言を呈したという。
SNS上では「自分が傾倒する選手の影響を受けるのはわかるが、オフを経て素人目でみても明らかにフォームが変わってると指導者からしたら何故と思うのは普通と思う」と立浪監督の発言と行動に理解を示す行動が見られる一方で、「監督の考えが絶対正しいとは限らないし、本人の考えを最大限尊重してあげてほしいな。今後の野球人生のビジョンも人それぞれあるでしょうし、それに大成しなかったとしても誰にも責任取ってもらえませんしね」という指摘も見られる。
スポーツ紙デスクは、フォーム改造のリスクについてこう語る。
「投球フォームは繊細なので、一度変えると元に戻らないリスクがある。高橋宏は侍ジャパンに選出され、2月17日からの宮崎合宿までに残された時間は多くない。フォーム改造は突貫工事でやるべきではないし、立浪監督の気持ちは理解できます。昨年も登板間隔を10日空けて投げ続けたように、まだ体も完成していない。色々試すことはいいと思いますが、今は軸となる自分のフォームを固める段階でしょう」