老年で大切なのは、男女のスキンシップ
帯津氏は御年86を迎え、今も健康に毎日を過ごしている。それは『養生訓』を手本とした健康法を実践しているからだ。最も大切なのは「心のときめき」だと帯津氏はいう。
「食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲むなど、好きなことをするのが心の養生になります。年齡を重ねると勃起して射精する機能はどうしても衰えますが、女性が好きという気持ちに変わりはありません。私は時折、女性と楽しく飲むことで心を健康に保ち、時にはハグだってしています(笑)。それが長生きの秘訣といえるのではないでしょうか」
『養生訓』の代表的な性交の極意「接して漏らさず」は、触れてもいいが射精しなければ長生きできるという中国の房中術のひとつ。裏を返せば、機能が衰えた老年になっても、男女で触れ合うことが長生きの秘訣といえそうだ。
取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2023年2月10・17日号