スポーツ

PL学園の国公立コース「受験者ゼロ」に 教頭と一問一答で「野球部を復活したい」の言葉も

取材に応じたのPL学園の教頭は、同校硬式野球部が休部となった際の監督である川上氏だった(写真は2016年のもの)

取材に応じたPL学園の教頭は、同校硬式野球部が休部となった際の監督である川上氏だった(写真は2016年のもの)

 春夏通算7度の甲子園制覇を誇るPL学園。超名門として知られた硬式野球部は2016年夏に休部となり、その後、学園の生徒数は減少を続けている。ついに今年の入試では国公立コースで「受験者ゼロ」という事態が明らかになった。学園側はこの状況をどう受け止めているのか――。『永遠のPL学園』(小学館文庫)などの著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏が聞いた。【前後編の後編。前編から読む

 * * *
「受験者ゼロ」について学園に取材を申し込むと、意外な人物が対応した。2016年に硬式野球部が活動休止となった時、監督を務めていた川上祐一氏だったのだ。彼は現在、教頭になっていた。

 PL教団幹部の子供たちが暮らす寮の寮長をしていた川上氏はPL学園の剣道部出身で、野球経験はなかった。だが、着慣れぬ野球のユニフォームに袖を通し、学園の母体であるパーフェクトリバティー教団の意向を受け、硬式野球部の事実上の廃部を先導した。

 そんな彼が7年の時を経て、生徒数激減の窮地にある学園の教頭を務めているとはなんとも皮肉だ。PLの関係者は総じて、2014年よりPLに関連する問題を追いかけてきた私の取材には口をつぐむ。しかし、2023年度の入試の当日(2月10日)、川上氏は私の単刀直入な質問にも、真摯に応じた。

――近年は国公立コース、理文選修コース共に、大きく定員割れすることが続き、今年はとうとう、国公立コースが「受験者ゼロ」となった。
「学校としては、生徒募集を引き続き頑張っていくしかありません。ここまで落ち込んだ要因はいろいろあると思います。ひとつではない。善処していくしかないと思っています」

――数年後には、高校の一学年の生徒が一桁になるかもしれない。
「危惧はしております。ただ、そうはならないように、全国の教会に協力をいただきながら、ひとりでも多くの受験者を授かるように努力しているところです」

――野球部が活動を休止した2016年以降、受験に際し、「お神霊(みたま)」を持つ生徒しか受験ができないと聞いた。
「はい、そうです。ただ、入試制度に変更があったわけではありません」

――つまり、信仰に熱心な生徒に入学してもらいたいということか。
「それは昔と変わりません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト