2月12日放送の『どうする家康』第6回から女大鼠役で登場した松本まりかは、自身2度目となる大河出演に「徳川家康が主人公の大河ドラマにふたたび参加させていただくことになって、なんだかふしぎなご縁を感じています」と、想いを寄せた。
松本は23年前、『葵 徳川三代』(2000年)に家康の孫・千姫として出演している。家康を津川雅彦、秀忠を西田敏行、家光の生母・お江を岩下志麻が演じるなど、錚々たる俳優陣に囲まれての大河デビューだった。
「すごかったです……。ひとつの作品にあんなにも昭和のスターの方々が顔を揃えるなんてものすごく贅沢ですし、その場にいられた世代で幸運でした。現場の空気に触れただけでもビシバシと感じる熱量があって、とてつもなく大きな経験をさせていただきました」
その貴重な体験をしたありがたみは、後々身に染みたと振り返る。当時の松本は女優として歩み始めたばかりの中学3年生。デビュー作となる『六番目の小夜子』をNHKで撮影している際、千姫役の話が舞い込んだ。
「初めて足を踏み入れたドラマの撮影現場にはたくさんのカメラがあって、どこを見てお芝居すればいいのかわからなくて。大河に決まった当時の私は、パッとランプが点いたカメラに向かって台詞をしゃべらないといけないと勘違いしていたくらいのレベルだったんです。どれだけすごい方々とお芝居をさせていただくのか、そこまで気を配る余裕がありませんでした。
千姫が嫁ぐ豊臣秀頼の母・淀殿を小川真由美さんが演じていらして、淀殿と対面した千姫が泣く場面があったんです。でも泣くお芝居は初めてだったので泣き方がわからず、一生懸命あくびをして涙を出そうとして……(苦笑)。“はぁ~” “ふぁ~”と粘っていたら、小川さんが『あなた、あくびをして泣いちゃだめよ』って、お芝居に対して厳しくも愛のある指導をしてくださった。お着物の裾捌きや歩き方、お琴なども直々に教えてくださいました」
『どうする家康』で演じる女大鼠は、家康の家臣団として服部半蔵の元で働く忍び役。半蔵役の山田孝之とは『六番目の小夜子』で共演し、『葵 徳川三代』で共に大河デビューを果たしたという縁もある。2人とも23年ぶり2度目の大河出演で、忍者としてバディを組むこととなった。
「これもまたふしぎな巡り合わせですよね。中学時代の青春を一緒に過ごした仲間なので安心感がありますし、独自の道を切り開いてきた孝之君の活躍は本当に尊敬していて、とても励みになっています。歳が1つお兄ちゃんなので “ちゃんと食べている?” “元気にやってる?”とよく気にかけてくれて、私も何か迷ったことがあったら孝之君に話そうかなと信頼している間柄です。普段は“た!”と “ま!”で呼び合っています。『孝之』『まりか』というのもなんだか面倒になってきて、いつの間にか省エネになりました(笑)。
結構いろんなことを話しますよ。お芝居や仕事、社会の話もしますし、健康の話なんかも。他愛のないおしゃべりよりも、身近なネタでも自分たちに根付いた、まじめな会話をしていることが多いです」
同時代を生きる俳優同士の絆を感じるが、劇中の忍者バディとしての相性は?