健康悪化を理由に衆院議員を辞職した岸信夫・前防衛相の長男で、衆院山口2区の補欠選挙への立候補を表明した岸信千世氏(31)。安倍晋三元首相の甥にあたる信千世氏が、立ち上げた公式サイトに「家計図」を掲載したことが物議を醸している。プロフィール欄には、慶大卒業、フジテレビ勤務などの自身の経歴ともに家系図を掲載。そこには、父・信夫氏、伯父・晋三氏のほか祖父の安倍晋太郎氏や曾祖父の岸信介氏ら6名の名前が記されていた。露骨な「世襲アピール」とも取れるほか、男性しか掲載していない点も含めてSNSは大炎上。2月13日夕方から同サイトは、「ただいまメンテナンス中です」と表示されるようになり、家系図の削除は確認されたものの、現在(13日18時時点)までサイトが閲覧できなくなっている。
時代錯誤な家系図の削除の他にも、このHPにはそもそも大きな疑問点がある。実はこの信千世氏のサイトは父・岸信夫氏のサイトをそのまま引き継いだ形になっているのだ。検索した結果では「岸信夫公式サイト」と表示されているにもかかわらず、開くと信千世氏のサイトになるのだ。
こちらも先のメンテナンスの際に修正され、「岸信千世公式サイト」と改められたが、ITジャーナリストの新田ヒカル氏は「政治家のサイトとは思えない脆弱性だ」と指摘する。
「本来、今回のように『現状のウェブサイト』を違う内容に変更する場合は、本サイトとは別にインターネット上に表示されない未公開の“コピーサイト”を作り、そのコピーサイト上で修正や変更を加えて、正常な動作をするかどうか確認した上で書き換える手順を踏みます。しかし、今回の信千世さんのページは恐らく書き換える際にコピーサイトを作らずにお父さんのHPをそのまま書き換えたと思われます。
正直、ウェブ制作において素人の印象を受けますね。せっかく出馬表明をしてこれからというタイミングで、出だしがこれでは本当にやる気があるのか、本腰入れているのか、と疑われても仕方がない気もします」
さらに新田氏はこの情報社会において仮にも政治家を志す人物が、「インターネットの拡散力をまるでわかっておらず、心配だ」と語る。