寒い冬、体が冷えると、血の巡りが悪くなり、様々な不調をもたらすという。田中病院院長の田中優子さんは、「実際に、体温が0.5℃上がると免疫力は2倍になるといわれています」と話す。さらに、イシハラクリニック副院長の石原新菜さんも、こう説明する。
「加えて、低体温の人ほど気分が落ち込みやすく、不眠にもなりやすいという調査もある。冷えはメンタルにも影響するのです」(石原さん)
では、病気やウイルスを寄せつけない温かい体を作るためには何が必要なのか。食と健康の専門家に、瞬時に体を温めて冷えを解消する「最強食品」についてアンケートを実施。「一瞬で体温を0.5℃上げる最強食品ランキング」を作成した。
【ランキング作成方法】
以下、20人の「食と健康の専門家」に「体を芯から温める最強食品」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。5点以上を獲得した食品を掲載した。
石原新菜さん(内科医)、磯村優貴恵さん(管理栄養士)、小倉朋子さん(フードコンサルタント)、金丸絵里加さん(管理栄養士)、川﨑真澄さん(日本温活協会)、川嶋朗さん(統合医療SDMクリニック院長)、工藤孝文さん(みやま市工藤内科院長)、黒田愛美さん(医師/アスリート)、清水加奈子さん(管理栄養士)、田中友也さん(国際中医専門員)、田中優子さん(田中病院院長)、中沢るみさん(管理栄養士)、浜本千恵さん(管理栄養士)、藤岡智子さん(栄養士/フードライター)、細川久美子さん(産婦人科医)、堀知佐子さん(管理栄養士)、前田あきこさん(管理栄養士)、望月理恵子さん(健康検定協会/管理栄養士)、矢澤一良さん(早稲田大学ヘルスフード科学部門部門長)、渡辺愛理さん(管理栄養士)
北海道民が愛する温活フード
このランキングで1位になったのは「しょうが」、2位は「にんにく」だった。これらの食材を食べることで血流を促すとともに取り組みたいのは、良質なたんぱく質を摂ることだ。管理栄養士の前田あきこさんが言う。
「いくら血流がよくなっても、体内で熱が充分に作られなければ体は温まりません。そのために必要なのはたんぱく質豊富な食品をしっかり食べること。たんぱく質は胃の消化活動を促すため胃腸の働きが活発になり、エネルギーと熱が生まれます」
肉や魚から豆腐まで、たんぱく質が豊富な食品は数多あるが、今回のランキングで3位となったのは「羊肉」だった。
国際中医専門員のCoCo美漢方・田中友也さんは、漢方の視点からその美点をこう強調する。
「羊肉は体を温める“温性”の食材です。気温が低い北海道の人たちがよく食べるように、肉類のなかでも体を温める力が特に強い。
その理由は豊富に含有する『L-カルニチン』が脂肪を燃焼させてエネルギーに変える効果を持っていることにあります。ジンギスカンやスープにして食べましょう」