利己的ではなく、利他的に接種した結果、後遺症が疑われる症状が生じて長きにわたって苦しむ。本来、こうした人々は率先してケアされるべきだが、政府や医学界はワクチン接種を推進しながら後遺症の訴えには目を背ける。この現状に鳥集さんは憤りを隠さない。
「『国の危機だから』とワクチンを打たせたのに、犠牲になった人を突き放すのは絶対に間違っている。特にワクチン接種推進担当大臣だった河野太郎氏はブログに『「運び屋」の私が「後遺症について」責任をとるなどという発言をしたことはありません』と綴り、ワクチンに対する警鐘を“デマ”と決めつけています。
確かに現時点でワクチンの後遺症を100%立証することは難しいですが、現実に接種後につらい思いをしている人がたくさんいる。彼や彼女らは明らかにワクチンを打つ前と打った後で体調が異なり、不調の原因はワクチン以外に考えられないと口々に訴えています。100%ワクチンが原因でないとは誰にも言えないし、現に少なくない医師や研究者がワクチンで後遺症は起こり得ると声を挙げているのです。
こうした状況で河野氏がまずやるべきなのは、ワクチンによる健康被害をデマ呼ばわりすることではなく、後遺症を訴える人たちの話に真摯に耳を傾け、被害者を救うために奔走することです。それが接種を推進した政治家としての責務ではないでしょうか」
臨床現場では、ワクチンの影響で体調を崩したと訴える患者に、医師が「ワクチンは関係ない」と頭から否定するケースもよくみられるという。鳥集さんは被害者の声を無視する医師や、ワクチン後遺症を報じないマスコミの責任も大きいと指摘する。
「『ワクチン後遺症のエビデンスはない。あなたの症状は心の問題です』と言い放つ医師も多いようですが、その心ない言葉に患者さんたちは傷ついています。主要なテレビや新聞も、ワクチン後遺症について報じません。自分たちが事実上政府と一体になって接種に加担してきたから、今更それが間違いだったと認められず、ワクチンの被害に向き合うのが怖いのでしょう」
しかし最近になって風向きが変わってきた。世界的な医学雑誌や主要なメディアでワクチンの弊害が語られ始め、国内でも地方のテレビ局や新聞、週刊誌などがワクチンをめぐる問題を取り上げ始めている。
「ある種の“言論統制”が行われる中、頼りになるのがSNSです。とりわけツイッターは自由度が高く、医学が専門ではないながら、医学論文や統計を読み込み、接種を勧める国や医学界の矛盾を鋭く追及する人たちがいます。また、実名あるいは匿名でワクチンの被害を告発する医師たちも多くいます。SNSは不確かな情報も多いですが、できるだけ賛否両論の声を拾って、自分の頭で考えるようにしてほしい」