国内

「コロナワクチン後遺症」を取材したジャーナリスト鳥集徹さん、「人生を変えられた」患者たちの姿と政府への怒り

ジャーナリストの鳥集徹さん

ジャーナリストの鳥集徹さん

「取材を通して強く感じたのが、患者さんがあまりにも気の毒であるということと、政府に対する強い怒りでした」

こう語るのはジャーナリストの鳥集徹さんだ。ワクチンを打った後、長期にわたる後遺症に悩まされる当事者を取材し、1月30日に著書『薬害「コロナワクチン後遺症」』(ブックマン社)を上梓した。2021年2月の新型コロナワクチン接種開始から2年。流行は収束するどころか、ワクチンが原因と考えられる健康被害が増えている。

「新型コロナのワクチンは通常10年前後かかる臨床試験をわずか1年ほどしか行わず、緊急承認されました。しかもウイルスの遺伝情報の一部を注入する『mRNAワクチン』は人類初。影響は未知数で、日本より先に接種を始めたイギリス、アメリカ、ドイツからは接種後の健康被害を訴える情報も伝わっていました。日本でも接種が始まってからツイッターで接種後の体調不良を訴える投稿がいくつもあり、被害の実態を知るために当事者の取材を始めました」(鳥集さん・以下同)

 鳥集さんは対面や電話、オンラインなどで20名ほどの後遺症患者を取材し、1年以上をかけて同書を著した。心がけたのは、“ひとりひとりの生身の体験”を記録することだ。

「ワクチン接種後の死亡者や副反応疑いは数字や症例として報告されますが、取材を通して伝えたかったのは、その背後には生身の人間の悩みや苦しみがあるということです。ワクチン接種によってたくさんの人生が損なわれている現実を知ってほしい。そういう思いを込めて執筆しました」

 20才のプロボクサーはワクチンを打ったのち、胸の痛みや息苦しさ、倦怠感が生じて練習ができなくなり、チャンピオンになる夢を絶たれた。夫と共働きで家計を支えて来た40代女性は接種後に全身がバラバラになるような関節痛やふらつきに襲われて、パートを続けられず生活苦に陥った――。本書には、ワクチンによって人生を変えられた“ふつうの人々”の肉声が綴られている。

「ワクチンを打った中学生の息子がひどい倦怠感や発熱で学校に行けなくなり、藁にもすがる思いで治療法を求めて駆けずり回る母親もいました。親として“子供に打たせるんじゃなかった”という後悔もあるでしょう。しかし、自分を過度に責めてほしくありません。なぜなら、国もマスコミもワクチンのデメリットをほとんど伝えず、『とにかく感染拡大防止のため、周りのために打ちましょう』と言ってきたから。本書に登場する人の多くは自分のためではなく、『高齢者にうつしてしまったら重症化するから』『勤務先のお客さんに迷惑をかけないために』と、他者や社会を守るために接種して健康被害に陥りました」

関連記事

トピックス

20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
第三者委員会からハラスメント被害が蔓延していたと指摘されたフジテレビ(右・時事通信フォト)
《フジテレビの“あしき習慣”》古くからあった“女子アナ接待”の実態、仕切りは人気ドラマのプロデューサー スポーツ選手との関係構築のため“利用”するケースも
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
マンジャロは腹部に注射する
《美容クリニックで流行》糖尿病治療薬を使った“GLP-1ダイエット”に専門医が警鐘「安全性が不明」「医療倫理的に問題ある」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト