3年ぶりのV奪回を狙う巨人。紅白戦で戦力の見極めに入り始めたが、苦戦を強いられるという見方が多い。スポーツ紙の遊軍記者はこう語る。
「シーズン前の順位予想で、優勝どころかBクラスに挙げる野球評論家も多いのではないか。やはりヤクルト、DeNA、阪神に比べると戦力的に見劣りする。今年から就任した大久保博元打撃コーチの発案でアーリーワークが話題になっていますが、投手陣の不安が解消されていない。
先発ローテーション入りが期待される山崎伊織、堀田賢慎がキャンプ早々にコンディション不良で離脱したのが大きな誤算です。若手成長株の左腕・井上温大はいい投手ですが直球、変化球の精度はまだ発展途上。5勝できれば御の字でしょう。過度な期待はかけられない。昨季5勝をあげたメルセデス(現ロッテ)の代わりに獲得した新外国人投手たちも未知数です。巨人はヤクルトと違って救援陣が強力なわけではないので、先発が踏ん張ってくれないと白星を積み重ねられない。気が早い話ですが、来オフは間違いなく先発陣の強化でFA補強に動くでしょう」
来オフの「FAの目玉」と言われているのが、西武・山川穂高だ。3度の本塁打王を獲得するなど日本球界を代表する和製大砲だが、巨人は昨オフに中田翔と3年契約を結んでいる。「松井秀喜2世」の呼び声高い秋広優人も後釜に控えていることから、山川がFA権を行使しても獲得に動く可能性は高くないと見られている。
補強ポイントは投手陣になるだろう。そこで有力候補に挙がるのがDeNA・今永昇太、日本ハム・加藤貴之の両左腕だ。今永は昨季11勝4敗、防御率2.26をマーク。6月7日の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した。1投球回あたり何人の走者を出したかを表わすWHIPは0.94とリーグトップの数値。巨人戦も5試合登板で2勝1敗、防御率1.80と抑え込んだ。同一リーグの難敵に手を焼いてきただけに、獲得できればこれほど頼もしい投手はいない。