放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、『クイズ!脳ベルSHOW』の司会をつとめる岡田圭右の見事な長老回しについてつづる。
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大打者・門田博光も鮎川誠(シーナ&ザ・ロケッツ)も私と同じ74歳。合掌。年齢が同じというのは気になるもの。
先日、峰竜太に会ったので「おカミさん元気?」ときくと「根岸ももう90です。物凄い元気」。根岸とは我々業界で言う初代・林家三平。その夫人ということ。住んでる土地からそう呼ばれる。峰クンが「そうそう、石原裕次郎夫人(昔は北原三枝)も90です」。へぇ~ッと感心。しかし芸能界広しといえども「昭和の二大スター」のそばにいて尽くし修行したのも峰クンだけだ。裕次郎、三平とずっと同じ空気をすっていたのがうらやましくもあり恐くもある。
夜、NHKのEテレ『スイッチインタビュー』を見ていたら「喜劇論」なぞを小林信彦と細野晴臣が語っている(そう言えばYMOのひとり高橋幸宏も亡くなったばかり)。そして小林信彦がポツリ「私もすぐに90ですから」と言ったのを聞き逃さなかった。たった一日で90歳の人を3人も知るとは。
そう言えば、近所に住んでて時々昼メシなど一緒にする野末陳平はなんと91歳だアハハ。この前も「もう少し暖かくなったら浅草ロック座行こうよ」とすがってきた。裸と学生たちのチアダンスを見るのが元気の源。YouTubeもやっている。今の人は“税金党”と言っても分からないだろうな。
「ますだおかだ」の岡田圭右と久々。「BSフジの『クイズ!脳ベルSHOW』はもう岡田のライフワークだネ?」「一日5本撮りですから。解答者は年配、お年寄りばかりで、俗に“生存確認番組”と呼ばれてます」「あの番組見てて、ああ、あの人まだ生きてたんだと知らされる」「もう年ですからほとんど皆さん事務所に入ってなくて直、受けてるんですよ。この前なんか本番中にケータイが鳴って、ハイッもしもしって出ちゃうんですよ。長らく会話してて切ったら、一本仕事が決まりました、だって」