2月8日に開催された厚生労働省の部会で、今年4月以降の新型コロナワクチンの接種を原則年1回とし、次回は今年の秋から冬にかけて実施する方針が了承された。重症化リスクのある人や医療従事者などは前倒しの接種も可能とし、公費での無料接種も継続する方針だ。
2021年2月の接種開始から2年が経った。“ウィズ・ワクチン”は新たなフェーズに入るが、懸念点も多い。現在は「5回目接種」が推進されるが、日本は人口100人あたりの接種回数が世界最多なのに、2月に入っても週間の新規感染者数が世界で最も多い状態が続いており、ワクチンの感染予防効果に疑念を抱く声も多い。
より深刻なのが、接種後に健康被害が生じるケース。中でも懸念されるのが接種後の死亡例だ。1月20日の厚労省審議会によると、接種開始から昨年12月18日までに接種後の死亡として報告された事例は1966人(ファイザー製1751人、モデルナ製211人、武田薬品製1人、ファイザー製5〜11才用3人)に達する。
この事実から何を学ぶべきだろうか。厚労省の報告書をもとに、死亡として報告された1966人の「持病」について、接種回数別にまとめた。
国がワクチン接種時のリスク要因であると公式に認めるのが「持病」だ。接種開始時、厚労省は「心臓、腎臓、肝臓、血液疾患などの基礎疾患がある人は注意が必要」としていた。接種後の死亡として報告されたケースの「持病」を見てみると、実際に今回のまとめでは、1〜5回目まですべての接種回数で「高血圧」がトップ、「糖尿病」が2番目だった。ちなみに死亡者が多いのは、「1回目の高血圧(215人)」、「2回目の高血圧(178人)」、「1回目の糖尿病(104人)」だった。
また、「高脂血症」や「脂質異常症」など生活習慣病関連の持病も多くみられた。生活習慣病の持病があると動脈硬化が進み、血管にダメージが蓄積する。そうした人にとってワクチンは「毒」になりかねない。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが言う。
「ワクチンは接種後に血栓が生じるリスクが指摘されています。生活習慣病は動脈硬化が生じやすく、血栓が生じた際に血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞などを発症する恐れがあります」(室井さん)
血液内科医の中村幸嗣さんも「持病とワクチンの関係」に注意を促す。