2月17日からWBC強化合宿「侍ジャパン宮崎キャンプ2023」が始まった。選手たちは27日まで合宿を行なった後、壮行試合と強化試合を経て、3月9日から東京ドームで1次ラウンドに臨む。強化合宿は監督が選手の調子を見定める目的で大会のたびに行なわれてきたが、調子の見極め以外にも開催には「大きな意義」があるのだという。
2009年の第2回WBCで投手コーチを務めた山田久志氏が語る。
「あのメンバーですからね。強化合宿では、投内連携などプレーについては何も言うことはなかった。投手の投げ込みについても個人に任せていました。ただ、WBC独自のルールについては選手たちはよく理解していなかった。合宿ではその点について細かく説明しましたね」
今大会でも「1試合につき1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球を超えて投げることは出来ない」という球数制限や「1試合で50球以上投げた場合、中4日を空けなければならない。30球以上、または2試合連続で投げた場合は中1日を空けなければならない」といった登板間隔に関する細かいルールがある。合宿を通して、それらのルールを選手自身も理解していく必要があるという。
さらに今回の合宿では、エンゼルス・大谷翔平(28)やレッドソックス・吉田正尚(29)ら4人のメジャー組が不参加となったが、パドレス・ダルビッシュ有(36)は初日の2月17日から参加している。山田氏が言う。
「メジャー直伝の投球技術を知ることができるのはもちろんのこと、最大のメリットはWBCの公式球であるメジャーの球の扱い方をダルビッシュから学べることです。2009年の時もメジャー経験のある佐々木主浩がキャンプに来た際にピッチャーを集めて、いかに滑りを少なくするかなどについて教えてもらいました。
また今回、大谷がキャンプに参加できなかったのは、むしろ幸運かもしれない。2009年の時はイチローや松坂大輔がアメリカから来ていたので、スタンドに4万人ものファンが集まった。ホテルや球場周辺に人があふれ返って移動もままならなかった。大谷が来られなくなったことで、選手たちは少しは落ち着いてキャンプができるでしょう(笑)」
国民の期待を一身に受けるWBC日本代表。海外組が多数参加する本番の試合では、どんなプレーが見られるだろうか。