寒空の下でもご公務でお出ましをされる皇族方は、防寒を充分にしながらも、おしゃれさと上品さを兼ね備えた“冬ファッション”を着こなされています。皇室ファッションに詳しい青木淳子さんの分析のもと、紀子さまのエレガントな佇まいを紐解きます。
「女性皇族の着こなしが素敵なのは姿勢がよいこともあるでしょう。背筋をしゃんと伸ばして、自然におろした手を前で合わせていらっしゃる。足をきちんとそろえてお座りになり、微笑みを絶やさない。上品さやオーラは、そうしたところから出てくると思います」(青木さん。以下同)
また、“控えめな姿勢”も服装から感じられるという。
「紀子さまは儀式の際など、皇嗣妃として、皇后雅子さまの装いに一歩引いた雰囲気のものを選択されているようにお見受けします。一方、行事にお出ましになる機会の増えた佳子さまは赤や紫、グリーンなどはっきりした色のドレスも多い。ご自身の個性を大切にしたいとお考えなのかもしれません」
【解説はこの人】
歴史文化学研究者・青木淳子さん/大東文化大学、学習院女子大学、フェリス女学院大学、実践女子大学などで非常勤講師を務め、日本フォーマル協会特別講師も務める。服飾文化史などを専攻し、皇室ファッションに詳しい。
●2016年1月 天皇皇后両陛下 フィリピンからご帰国お出迎え
「落ち着いた深いブラウンのコートとお揃いの色味のお帽子を合わせられています。首元からは、パールのネックレスがチラリとのぞき、胸元のブローチと共に明るさと品格を演出しています。さらに、黒の手袋と靴で全体が引き締められています」
●1991年2月 新潟国体開会式
雪の降る中の開会式には、黒いウールのケープ付きのコートでご登場。
「コートに合わせて黒いブーツ、黒い手袋ですが、白い帽子が笑顔を引き立てています。ケープの若々しくかわいらしいデザインがお似合いで、防寒もバッチリです」。
●2009年12月 「こどもの国」ご来園
「ベージュのジャケットの胸元には、茶色のドット柄のスカーフを巻き込むように着用なさっています。イヤリングも茶系で色味を合わせて、落ち着いたコーディネートとなっています」
※女性セブン2023年3月2・9日号