さまざまな企画で話題を集めたバラエティ番組『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)が特別番組として放送される。1年ぶりの復活となった背景にはどのような事情が考えられるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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20日夜、昨年3月にレギュラー放送を終了した『痛快TV スカッとジャパン』が2時間特番で1年ぶりに復活します。
橋本環奈さんが初めてショートドラマに出演するほか、なにわ男子の大西流星さん、高橋恭平さん、藤原丈一郎さんが「イケメン神対応」に挑戦。さらに『ぽかぽか』MCで新たな昼の顔となった神田愛花さんや、飛ぶ鳥を落とす勢いの井桁弘恵さんも初出演します。
復活特番にふさわしく名物企画の「胸キュンスカッと」や「スカッとばあちゃん」をはじめ、松下由樹さん、アンミカさん、滝沢カレンさんらが演じる人気キャラクターも出演。まさに出演者も企画も全力の布陣で挑む様子が伝わってきますが、その背景には「絶対に失敗できない」という4つの理由が見え隠れしています。
ブランクを経て鮮度は回復したのか
まず注目すべきは、なぜ1年間ものブランクを作ったのか。
2021年9月にレギュラー放送を終了した『99人の壁』(フジテレビ系)は、その3か月後に特番として復活。以降も2~3か月に1回のペースで特番を放送し続けています。また、同じ2021年9月に終了した『あいつ今何してる?』(テレビ朝日系)も、4か月後に特番で復活し、その6か月後にも放送。2022年9月に終了した『ザ・ベストワン』(TBS系)も、今月18日に5か月ぶりの復活特番が放送されたばかりです。
レギュラー放送終了後に特番化するケースは、早ければ3か月後で、それ以外でも6か月~9か月後に復活させるのがセオリー。『スカッとジャパン』があえて1年ものブランクを作ったのは、7年半で250回超の放送をしたあとだけに、「慣れ」や「飽き」の印象を拭おうとしたからではないでしょうか。だからこそ「1年間を空けたことで鮮度は回復したのか」が業界内の注目を集めるでしょう。
その他でも、特番として放送を続ける『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)、レギュラー終了や特番化などを経て現在は月1放送している『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)のように定番コンテンツとして定着していけるのか。
「ショートドラマで“スカッと”してもらう」という構成や、『トリビアの泉』(フジテレビ系)から続く「スカッとボタン」の演出などは、現在も通用するのか。番組の普遍性が問われています。
月8の「低迷」とMC内村光良の存在
2つ目の背景は、フジテレビ月曜20時台の「低迷」というイメージ。
フジテレビの月曜20時台は18年にわたって放送された『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』が2012年に終了して以降は苦戦続き。『ジェネレーション天国』は1年あまり、『ジャネーノ!?』は4か月あまりで終了してしまいました。『スカッとジャパン』は順調なスタートを切ったものの、ジワジワと低迷期に突入。2020年代に入ると、特別版として「スカッとカラオケ」「スカッとカジノ」を放送するなどの迷走を見せたあげく終了しました。