長嶋茂雄氏(87)が頭痛などの異変を訴え、都内の病院に救急搬送されたのは昨年9月のこと。自宅で転倒した際に後頭部を打ち、脳内で出血があったという。以来、長嶋氏の入院生活は5か月あまりに及び、「重病説が流れたこともあった」(スポーツ紙記者)というが、ファンを心配させる長期入院に終わりの兆しが見えてきた。長嶋氏を知る球界関係者が語る。
「田園調布の自宅の1階部分を全面バリアフリーに改築したそうです。長期の入院で足腰が衰えたこともあり、自宅でも車椅子生活になることを想定しているようで、改築工事は1月中にも終わったと聞いています。自宅で受け入れる環境が整ったので、近日中にも退院すると見られています」
長嶋宅の近隣住民も、「昨年末あたりからリフォーム業者が出入りしていましたが、このひと月は見なくなりました」と証言する。
心配される病状も快方に向かっているようだ。巨人の山口寿一オーナーは1月5日、長嶋氏の近況について「予後は順調です」と報道陣に説明。入院が長引いているのは足腰のリハビリに時間がかかるためだと明かした。
長嶋氏は2004年に脳梗塞で倒れて以来、右半身に麻痺が残り、言語障害も見られるようになった。しかし懸命なリハビリにより、徐々に活動を再開。毎年2月に巨人の宮崎キャンプを訪問して選手を激励するなど、野球界を盛り上げてきた。
2021年の東京五輪の開会式では、盟友・王貞治氏や愛弟子の松井秀喜氏とともに聖火ランナーを務め、国民的スターとしての役割をまっとうした。そして3月には野球界のビッグイベントであるWBCが開催される。
「今回の侍ジャパンは、大谷翔平やダルビッシュ有をはじめメジャーの一線で活躍する選手が名を連ね、史上最強メンバーとの呼び声も高い。2009年大会以来の優勝が十分狙えるとあってファンの期待が高まっています。長嶋さんが無事に退院して、宮崎での侍ジャパンの強化合宿に激励に訪れたら、世間は一層盛り上がるし、選手も気合が入るはずです」(前出・スポーツ紙記者)
長嶋氏の近況について読売巨人軍に聞くと、
「現在、自宅で日常生活を送ることができるように日々リハビリに努めています。引き続き、温かく見守ってくださるようお願いいたします」(広報部)
との回答だった。ミスターの再始動が近づいている。
※週刊ポスト2023年3月3日号