“退社ドミノ”は各局で起き、それは制作現場ではなくアナウンサーにも広がりつつある。フジテレビの三田友梨佳アナや朝日放送のヒロド歩美アナら看板アナが今春退社予定。TBSの国山ハセンアナはビジネス映像メディアの「PIVOT」のプロデューサーに。テレビ朝日の富川悠太アナはトヨタ自動車の所属ジャーナリストになり、「トヨタイムズニュース」のキャスターに就任した。テレビ局からネット業界に転職した40代社員はこう語る。
「日テレでも青木源太アナや桝太一アナに続いて、若手の篠原光アナも3月いっぱいで退社というニュースもありましたね。彼はeスポーツのキャスターになるそうですが、賢明な判断だと思いますよ。eスポーツのキャスターはまだまだブルーオーシャンだし、朝日放送をやめてeスポーツキャスターになった平岩康佑アナという成功例もある。
いま、20代のアナウンサーなら年収1000万円はいってないんじゃないかな。ネット業界ならアナウンサーの知名度や実力に応じて2000万円スタートもあり得ますから。特にアナウンサーは見られてなんぼの商売なので、テレビ離れが加速している今、ネットメディアに転職するのは自然な流れじゃないですかね。制作の現場でも、予算が潤沢にある外資系配信メディアやネット業界に転職して自分の力を試したいというのは誰もが思っていることでしょう。それぐらい、今のテレビ業界は息苦しくなっていますね」
もちろんテレビ業界も巷で囁かれる「オワコン化」しないように、様々な工夫を凝らしている。テレビの世界に残る「優秀な局員たち」が、テレビの逆襲を考えているところだろう。
テレビ業界の閉塞感から生まれた局員たちの大量離脱。「出ていった人」も「残った人」も、どちらの選択も正しかったと言えるように切磋琢磨してほしい。