水飲み場はあちこちに作る
「猫はあまり水を飲まない動物ですが、飲水量が少ないと腎臓や膀胱の病気にかかりやすくなるので、いつでも飲めるように家のあちこちに水飲み場を作っておくといいでしょう」。
多頭飼いの場合、1匹につき1つ水飲み容器を用意し、器と水は清潔に保つこと。
誤飲・誤食で死ぬことも
猫の入院理由の2位に「消化管内異物/誤飲」があるように、誤飲・誤食は命にかかわる。
「猫がつまみ食いしないよう、三角コーナーの生ゴミはすぐに片付ける、ゴミ箱にもふたを付け、部屋の掃除もこまめにすること。よくあるのが、タコ糸付きの煮豚などをまるごと食べてしまい、その糸がのどに詰まるケース。摘出手術が必要になるので、食べ物だけでなく、糸などにも注意しましょう」
猫にとって危険な食べ物を知っておく
植物だけでなく、猫が食べると危険な“食べ物”も知っておき、口にさせないよう注意したい。
「生魚や生いかには、ビタミンを分解する酵素が含まれていて、ビタミン不足による病気を招く危険があります。チョコレートやココア、お茶に含まれるカフェインには中毒を起こす恐れが。生クリーム類は脂肪分が多く、肥満の原因になるので与えないこと。白米やパンも食べすぎると肥満になります。特にパンに含まれる塩分が原因で慢性腎不全になることもあります」
玉ねぎなどのねぎ類も危険。血液中の赤血球が有機チオ硫酸化合物によって壊され、溶血性貧血や血色尿を引き起こすので気をつけよう。
【猫に与えてはいけない食品リスト】
生魚・生いか、チョコレート・ココア、野菜(玉ねぎ、にんにく、青ねぎなど)、生クリーム類、お茶類、白米・パン
【プロフィール】
ノヤ動物病院 院長・野矢雅彦さん/獣医師。ペットの診療・治療のかたわら、『愛猫を長生きさせる習慣』(八重洲出版)などペット関連書籍の監修や執筆も行う。
取材・文/北武司 イラスト/さややん。
※女性セブン2023年3月2・9日号