室内飼育が普及し、交通事故や感染症へのリスクが減ったこともあり、猫の寿命が年々延びているという。愛猫が長生きすることは喜ばしいことだが、長寿になるほど、さまざまな病気にかかる可能性が高まるのも事実であり、近年の死因は、慢性腎不全、がん、心臓病などが増えている。そういった病気のリスクと戦いながら、愛猫の健康長寿を実現するためには、ストレスフリーな暮らしをさせるのがポイント。そこで、愛猫の健康を保つために、実践すべき食習慣について紹介する。
“猫まんま”はNG。総合栄養食がベスト!
猫の食事といえば白米にかつおぶしをかけた“猫まんま”を想像する人もいるが……。ノヤ動物病院院長・野矢雅彦さんが説明する。
「猫にとって炭水化物は必要のない栄養素。それよりも必要な栄養素がバランスよく含まれた総合栄養食のキャットフードを」(野矢さん・以下同)
ウエットタイプよりドライタイプを
キャットフードにはドライタイプとウエットタイプがある。「ウエットの方が食いつきがいいケースが多いですが、割高ですし、やわらかいため噛む力が弱くなりがち」。とはいえ、高齢猫には適しているので年齢や性格に合わせて選ぼう。
1才過ぎたら成猫用フードを
キャットフードは子猫用、シニア用など、年齢ごとに分けられていることが多いが何才で切り替えるべきか。
「子猫用のフードは高栄養のため、1才頃まで与えたら、成猫用に切り替えましょう。シニア用への切り替えは獣医師に相談を」
植物の「毒」にご用心!
猫は毛玉を吐くために猫草を食べることもあるが、植物を食べられるわけではない。「チューリップなどのユリ科をはじめ、サトイモ科、ツツジ科、ナス科の植物を食べると嘔吐や下痢をするだけでなく、死に至ることも」。要注意だ。
人間の食事は与えない
かわいい愛猫のおねだりに、つい人間の食べ物を与えそうになるが……。
「人間の食事は猫にとって塩分量の多いものばかりなので、基本的に与えないこと。ただし、肉類、魚類、かつおぶし、牛乳ならOK。量は主食のフードの10%程度で、与えた分、フードの量を減らすこと」