現在の猫の平均寿命は約16年で、30年前と比較すると10年も延びているという。愛猫が長生きすることは喜ばしいことだが、長寿になるほど、さまざまな病気にかかるリスクも高まり、近年の猫の死因としては慢性腎不全、がん、心臓病などが増えている。そういった病気を回避して、愛猫の健康を保つにには、ストレスフリーな暮らしをさせるのがポイント。そこで、愛猫に健やかに長生きしてもらうために、実践すべきさまざまな“習慣”を紹介する。
隠れられる狭い空間を作る
野生の猫は、外敵に見つからないよう狭い場所をすみかにしていた。そのせいか、本能的に猫は狭い場所を好む。ノヤ動物病院院長・野矢雅彦さんはこう話す。
「45cm四方程度の段ボール箱の上や横に穴を開け、それを家のあちこちに置いておくことをおすすめします」(野矢さん・以下同)
上下運動できる空間作りを
室内飼いの猫は散歩に出かけないため、運動不足になりやすい。
「それを解消するのに効果的なのがキャットタワー。本能的に高いところを好む猫の習性を利用し、設置するだけで上下運動をさせられます」
コード類はカバーをして噛ませない
歯が生え変わる時期は歯茎がムズムズするため、子猫はよく電化製品のコードなどをかじってしまう。
「感電や火災の危険性があるので、カバーをつけてコードを保護したり、苦味のある市販のしつけ用スプレーをかけておくのがおすすめ」
空中でジャンプさせる運動を日課にする
「猫を長生きさせる最大の秘訣は、肥満を防止すること。室内飼育だと運動不足になりやすく、また退屈でストレスがたまりやすいので、上下左右に連続ジャンプさせるような遊びを日課に取り入れましょう」。筋力アップも期待できる。
ひとり(1匹)遊びでストレスを発散させる
ストレスは健康の大敵。飼い主がかまってあげられないときでも退屈しないよう、1匹でも遊べる習慣をつけさせること。
「ボールやおもちゃなど、コロコロ転がる小物は猫のよい遊び道具になるので、日頃から与えておきましょう」
「じっと見る」や「無理やり抱っこ」はNG
「人の都合で無理やり抱っこしたり、じっと目を見つめる、大声を出す、追いかけるといった行為は、猫にとってストレスになるのでやめましょう」
猫が自分から飼い主のもとまで来るのを待つのが、正しい接し方だ。