若手女優たちが最も欲しがる仕事といえば、NHK朝の連続テレビ小説のヒロイン役だろう。2月22日、1年後の2024年前期の朝ドラ『虎に翼』の主演を、伊藤沙莉(28才)が務めることが、NHKから発表された。
同作は、昭和の戦中戦後に日本初の女性弁護士、のちに裁判官にもなった三淵嘉子さんをモデルにした女性一代記。子役出身で、ここ数年急速に評価を高めていた沙莉は、従来のようなオーディションではなく、「前向きさ、チャーミングさ、明るさ。この役は伊藤さんしかいないと思った」(NHK)とオファーを受けて、その座をつかんだ。同局での会見では、白羽の矢が立ったことに「決まってすぐには信じ難かった。本当?って」と、本人も驚きの様子を見せた。
それもそのはず。20代前半までNHKのオーディションにはいい思いがなかったようだ。昨年7月、NHKのラジオ番組に出演した沙莉は、「もう本当にオーディションの内容にNHKって書いてあるだけでいきたくないと思っていた。それほど受かったことがない話なだけで、オーディションがダメで。単純にキャラクターが合わないだけなんですけど、どこかで人格否定をされている感覚に陥っていくんですよ。あなたがダメって言われている気がして」と明かしていた。
転機は2017年放送の有村架純(30才)主演の朝ドラ『ひよっこ』の出演。注目度を上げると、映画にドラマにと順調に仕事を増やしていった。昨年8月には、NHKの特集ドラマ『ももさんと7人のパパゲーノ』で主演を任されて、見事に今回の大役につなげてみせた。
会見で、報道陣の笑いを取ったのは、家族への報告エピソードだ。「(正式発表までは極秘にするという)暗黙のルールみたいなのを破ってしまって……。家族のリアクションがどうしても見たくて」と母や姉に話して喜んでもらったことを告白。ただ、実兄で、お笑いコンビオズワルドの伊藤俊介(33才)については「排除しました。今ごろニュースで知って驚いていると思います。どんな反応するか楽しみ」と、いたずらっぽく笑った。
俊介はツイッターで「やりたい放題だなこいつは。早起き出来そうですわ。2000人くらい言ってるかと思いますが、ひよっこから虎になったということですね」と反応。これを受けて、沙莉も「仲間はずれにしてごめんね。とりあえずこれで遅刻はなくなるね」と切り返し、あらためて兄妹の仲の良さを披露した。
実は、俊介も4月からNHKで新レギュラー番組が決定している。NHK Eテレのビジネス情報バラエティー『とまどい社会人のビズワード講座』が4月6日にスタートする。これまでは単発での放送だったが、人気を博し、月に1回のレギュラー番組に進化を遂げた。メインパーソナリティーは、King & Princeの永瀬廉(24才)で、俊介は進行アシスタントとしてパートナーを務めるという。