鈴木誠也(カブス)が左脇腹痛で、出場辞退となってしまった侍ジャパン。現場で取材しているスポーツ紙記者は追加招集のメンバーで、「意外な選手」の名前を提案した。
「他の記者とも話していたのですが、サポートメンバーで参加していた松原聖弥(巨人)を本戦メンバーに格上げしてもいいんじゃないですかね。バットが振れているし、打撃不振の山田哲人(ヤクルト)よりリードオフマンで可能性を感じさせる。外野の守備も侍ジャパンの中で一番うまい。シートノックを見れば一目瞭然ですよ。今の時期に主力選手を侍ジャパンに追加招集されるのは、どの球団も良い気がしない。シーズンに向けて調整しているわけだし、チーム構想がある。その点、松原は宮崎強化合宿に参加していたし、チームの輪に違和感なく入れる。巨人からもゴーサインが出るでしょう。実績を考えれば賛否両論の意見があると思いますが、検討の余地はあると思います」
2月25日に行なわれた壮行試合・ソフトバンク戦に「9番・右翼」でスタメン出場。3回1死から、開幕投手を務める大関友久の140キロ直球をセンターにはじき返した。侍ジャパン初安打を放つと、すかさず二盗も決めてチャンスを広げた松原。1点を勝ち越した9回の打席では1死三塁の好機できっちり左犠飛を放ち、追加点を奪った。
松原の野球センスは誰もが認める。育成枠で入団すると、選手層の厚い巨人で支配下昇格を勝ち取り、2021年は135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁をマーク。亀井善行打撃コーチが引退試合のセレモニーで松原を名指しし、「聖弥、あんたは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ」と叱咤激励している。期待が大きいからこそだった。
亀井コーチの背番号「9」を継承した昨年だったが、50試合出場で打率.113、0本塁打、4打点、2盗塁と大きく成績を落としてしまう。リードオフマンとして期待されたが、信頼を勝ち取れず外野陣のレギュラー争いで序列を下げた。