「サード・岡本、ファースト・山川」の選択肢も
現状、村上の『4番サード』は固定されている。しかし、打撃の調子はいずれ上がってくるとしても、守備力を考えた場合、村上と岡本では歴然とした差がある。ここ3年、2人のサードでの守備率とエラー数を比較するとこうなる。
【2022年】
岡本:9割7分5厘(8失策)
村上:9割5分6厘(15失策)
【2021年】
岡本:9割8分8厘(4失策)
村上:9割5分7厘(13失策)
【2020年】
岡本:9割7分1厘(8失策)
村上:9割3分4厘(8失策)
岡本は2021年から2年連続でゴールデングラブ賞を受賞している。一方の村上は昨年15失策で12球団のサードワースト、一昨年13失策でセ・リーグのサードワーストの数字を記録している。
「村上は昨年の日本シリーズでもバント処理で投手と意思疎通が合わない場面がありましたし、ソフトバンクとの強化試合でも悪送球をした。国際大会は1つのミスが勝負を分ける。前回大会の準決勝も守備の乱れで負けている。岡本は現在の調子を考えれば、スタメンで使いたい。慣れないレフトでの起用も視野に入っているようですが、それならサードにして、村上をファーストに回してもよいのでは。そのほうが守備が安定するでしょう」
村上は2022年こそ1試合もファースト守備についていないが、2021年は19試合で0失策、守備率10割。2020年は94試合出場で6失策、守備率9割9分1厘だった。
「本気で世界一を目指すチームなら、村上の『4番サード』を聖域にしてはならない。残り3試合の強化試合のどこかで『サード・岡本、ファースト・村上』を試してみてもよいのでは。もし村上が本戦に入っても打てないようならば、『サード・岡本、ファースト・山川穂高』という選択肢もある」
WBC本戦で2年連続ゴールデングラブ賞の岡本を慣れないポジションで守らせ、2年連続サードのリーグ最多失策の村上を三塁に固定して守備が乱れれば、起用法が批判される可能性もあるだろう。WBC開幕まで1週間を切った中で、栗山監督はどんな選択をしていくのか、注目される。