侍ジャパンにとって『4番サード・村上宗隆』は“聖域”になっていないだろうか──。ワールドベースボールクラシック(WBC)3大会ぶりの優勝を目指す侍ジャパンだが、その実力をどう評価すべきかは、本番が始まるまでわからない。
3月3日の中日との強化試合では2対7で敗れている。投手陣では貴重なリリーフ左腕の松井裕樹(楽天)が1回持たず4失点で降板。楽天でのキャンプ中からボールが走っておらず、この日も中日打線に捕まった。
「調子が上がらなければ、栗山英樹監督は無理して使わないでしょう。投手は1次ラウンドの後と準々決勝の後に、2人ずつ最大8人の入れ替えが可能になっています。予備登録されている左の森浦大輔(広島)と交代する可能性もあると思います」(野球担当記者・以下同)
昨年、56本塁打を放った上に史上最年少で三冠王を獲得した4番の村上宗隆(ヤクルト)もソフトバンクとの強化試合から3試合で1安打と、その打棒は鳴りを潜めている。
「打者の場合はずっと好調をキープするのは難しいですから、今は打てなくてもそれほど心配しなくてもいいでしょう。ただ、評論家を含めたマスコミやファンの村上に対する期待値が上がり過ぎているのは気になります。
村上が今の日本球界ナンバーワンの打者であることに疑いはないですが、何年も連続して50本塁打を打っているような評価が下されているように感じます。前人未到の868本塁打を放った王貞治さんでも55本を打った翌年は42本ですし、22年間の現役生活で50本到達は3度だけです。
当然、今年の村上も、去年と同じような活躍ができるとは限らない。昨年、55本を打った後に当たりが止まったり、日本シリーズで不調に陥ったりした。WBCでは、各国ともかなり研究してくるでしょうし、本番で期待通りの活躍ができるかは分かりません。栗山監督もその辺りは当然頭に入れているからこそ、同じサードの岡本和真(巨人)をメンバーに呼んでいるのでしょう」