皇室側の「窓口」は秋篠宮ご夫妻とも
そうした状況に、国民の「皇室離れ」を危惧する声は尽きない。皇室と国民との距離を埋めてくれる役割を期待されているのが、「SNSを含めた情報発信」だ。宮内庁はこの4月から「広報室」の新設を予定しており、新たな広報の手法を検討中だ。
「国民との交流を重ね、国民と皇室の信頼関係を築く上では、皇室に関する情報を、適切なタイミングで国民の皆さんにわかりやすくお知らせしていくことも大事なことであると考えます」
陛下は今年の誕生日会見で、SNSの活用についてそう言及された。SNSを巡っては、秋篠宮さまも昨年11月の誕生日会見で次のような趣旨のことを述べられた。
「皇室の情報発信は、正確な情報をタイムリーに出していくということが必要であるとともに、どこに正確な情報があるのかがわかることも大事だと思っています」
イギリス王室をはじめ、海外王室では王族個人がSNS発信を行っているケースも少なくない。デジタル技術が発展し、情報発信手段が増えたからこそ、日本の皇室も積極的な広報に舵を切ろうとしているのだ。だが、皇室ジャーナリストは陛下と秋篠宮さまの微妙な“お考えの差異”を指摘する。
「陛下のお言葉には、SNSをシンプルな発信ツールとして捉えられている印象がありますが、秋篠宮さまは短いお言葉の中で『正確な情報』と繰り返されたように、皇室をめぐる世論や報道を“否定する”“訂正する”ためのものとお考えになっているような印象を抱きます。陛下はSNSを国民のために活用されようとしているのに対し、秋篠宮さまは、“皇族の立場を守るため”という内向きな姿勢を持たれているようにも感じられます」(皇室ジャーナリスト)
その背景に、小室真子さんの結婚騒動以来の、秋篠宮家への逆風があることは想像に難くない。
「影響が大きい分、自由に発言できないお立場にあることを重々理解されているとはいえ、娘を持つ親としては満たされない思いもあったのでしょう。秋篠宮さまのお気持ちは察するに余りあります」(別の宮内庁関係者)
それでも、皇室の中心は当然ながら陛下であり、陛下のお考えとズレがある状況は歓迎されることではないだろう。
「もともと、宮内庁のホームページなどを活用した情報発信や、週刊誌報道、インターネット上の書き込みに触れたのは、一昨年の秋篠宮さまの誕生日会見でのことでした。だからなのか、宮内庁のSNS発信に関する皇室側の“窓口”は秋篠宮ご夫妻になるといわれています。そうなると、実際の活用が始まってから、さらに陛下の意図するものから離れていってしまいかねない。
皇族の数が減り、皇室の先細りが叫ばれこれまで以上に一枚岩にならなければならない中で、皇室SNSは陛下と秋篠宮さまの『分断』につながりかねない懸念されるべき事柄なのです」(前出・皇室ジャーナリスト)