「数字の割には評価が低いように感じます。巨人ファンは優勝しないと4番の働きを認めないところもある。それだけ期待が大きいわけですが、これほど若くして巨人の4番に定着して安定的な成績を残せるのは立派です。
岡本が過小評価されている理由の1つとして、日本シリーズでの不振が挙げられます。2019年は16打数3安打3打点、2020年は16打数1安打0打点に終わり、チームも2年連続でソフトバンクに4連敗した。2020年の初戦では千賀滉大の内角ストレートにバットを折られて、キャッチャーフライに終わった。この8試合のイメージが強いことも、過小評価につながっているのではないでしょうか」
準々決勝まで東京ドーム開催という地の利
WBCは、その印象を吹き飛ばすには持ってこいのチャンスとなる。
「注目度の高いWBCで岡本が活躍して優勝すれば、今までの評価は一気に覆りますよ。2009年のWBCでイチローは絶不調でしたが、決勝で4安打打って延長10回に勝ち越しタイムリーを放った。印象に残る活躍をすれば、一生ファンの胸に刻み込まれます。しかも、1次ラウンドから準々決勝までは巨人の本拠地である東京ドームで開催される点も有利です。村上の調子が上がってこなければ、4番に座る可能性も十分にあるのでは」
現在の調子であれば、岡本のスタメンは濃厚だろう。問題は栗山監督がどのポジションで起用するかだ。
「今までチームの軸である村上が普段守り慣れたサードで起用されてきましたが、今の状態を考えると岡本を気持ちよくプレーさせる方がいい。2019年以来公式戦で守っていないレフトではなく、本職のサードで使った方が安心です。ただ栗山監督には、村上を昨年1試合も守っていないファーストに回したくないという考えもあるでしょう。レフトには吉田正尚が入るため、岡本はファーストで起用されるのではないか。ただ、村上の守備力を考えると、2年連続ゴールデングラブ賞の岡本をサードで使ったほうが守備面で安定します」
まだ村上の調子が上がってこないこともあって、岡本の評価が急上昇している。WBC本番でも好調が続くのか、注目しているファンは少なくないだろう。