ライフ

市井の人がネット検索とSNSで追いつめられる理不尽 仕事場の名札が契機にも

SNSから個人情報を探られる(イメージ)

SNSから個人情報を探られる(イメージ)

 ネットでの発信は実名と匿名どちらであるべきかという論争がかつては盛んだった。匿名だと無責任な暴言でも躊躇なくしてしまうから、というのが当時の実名派たちの主張だったが、最近はこの種の論争そのものをあまり見かけなくなった。実名か匿名かではなく、ほぼ「知らない人」に向けて、ぶしつけなメッセージを勝手に送ってくる人の問題へと、対策すべきことが変わってきたからだ。ライターの森鷹久氏が、第三者にSNSを探られたうえにリアルで追いつめられる体験についてレポートする。

 * * *
 ネットインフラの拡充により、SNSユーザーは爆発的に増加した。今や、80代や90代の高齢者がFacebookやTwitterのアカウントを所有しているという例も少なくない。新しいコミュニケーションツールを楽しく使いこなす様子が見られる一方で、個人情報を「書きすぎる」、もしくは「全世界に公開してしまっている」例が散見される。中には自宅住所が映り込んだ郵便物を安易にアップしたり、「明日から家族全員で旅行に行く」と投稿するなど、防犯上の観点からも、危険きわまりないものも目につく。

 逆に、若いユーザーは名前と勤務先や出身学校程度しか出さない、もしくはニックネームなどを用いて、個人情報をできる限り非公開にして使っている。授業などでも取りあげられる「ネットリテラシー」の重要さをある程度は認識し、若い人なりに個人情報を守ろうとしているのだろう。

 いわゆる「個人情報」とは、名前だけだとそれには該当しないとされる。そこに住所や電話番号、クレジットカードや銀行口座情報などが紐付けられて、初めて(利用者側に)有益な「個人情報」となるという。SNSやネット情報のおかげで、名前で検索するだけで住所や勤務先、行きつけの店や交友関係などの情報が紐付けることも可能だ。

バイト先の名札からSNSを探されて

 都内在住の会社員・坂本あかねさん(仮名・20代)は、学生時代にアルバイト先の飲食店で、SNSを巡る恐怖体験を経験したと語る。

「実名でやっていたFacebookに、ある日、まったく知らない人から友人申請があったんです。間違いかも知れないと放置していたのですが、数日経つと、今度は同じ名前の別のアカウントからまた友達申請が来たんです。誰かのいたずらかと思いましたが、誰に聞いても心当たりはないらしく、気味が悪くなりFacebookのログインを控えていたんです」(坂本さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える\"心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン