大相撲春場所が3月12日に初日を迎える。両国国技館で開催された1月場所では入場者数の上限を1日9000人(通常の91%)として開催されたが、エディオンアリーナ大阪が会場となる3月場所では上限が7200人(定員7400人)に設定される。新型コロナの感染拡大により、3年前の3月場所は無観客開催となり、2年前は大阪ではなく東京開催に。昨年は大阪開催に戻ったものの観客は1日5600人への制限が設けられた。今回は4年ぶりにほぼ通常通りの水準での開催となる。コロナ禍以降に定着した、観客がマスクを着用する「新しい観戦様式」にも大きな変化が生じそうだ。
横綱・照ノ富士は4場所連続の休場が決まったものの、見どころは数多くある。関西出身でご当地場所となる大関・貴景勝が綱取りに挑み、十両でもスキャンダルによる出場停止処分から復活してきた大関経験者の朝乃山と史上初となる幕下15枚目格付け出しデビューから1場所での十両昇進を果たした新鋭・落合の対戦の可能性があるなど、ファンにとっては楽しみが多い場所となる。チケットの売れ行きも好調で「ほぼ完売」(茶屋関係者)だという。
先場所から座席での飲食が可能となり、マスク着用のうえでの声出し応援も解禁されていたが、3月場所の2日目にあたる3月13日からは政府の方針で屋内・屋外を問わずマスク着用が「個人の判断」に委ねられることになる。それを受け、相撲観戦のルールにも変化が生じるのだろうか。
相撲協会の公式HPに掲載された「大相撲三月場所観戦にあたっての注意」では、入場時の手指消毒、検温などへの協力は呼びかけているが、観客のマスクについての表記はない。2021年7月に発表された力士や関係者の土俵周り・花道でのマスク着脱についての説明があるのみだ。「2日目(3月13日)以降はマスクの着用は個人の判断でということでチケットを販売している」(前出・茶屋関係者)という話が聞こえてくるなか、相撲協会の担当者に確認すると次のように回答した。
「マスクの着脱はお客様個人の判断になります。(相撲協会では)マスクの着用は強制しません」
声援についても「制限は特にありません。個人の判断になります」(同前)との答えだった。マスクなしで四股名を叫んでもOKとなる。狭いマス席での飲食や飲酒も解禁となり、浪速の土俵に活気がもどってくることになる。ただ、そうなると気になるのが、コロナ禍の土俵周りで注目を集めた“名物客”たちがどう対応するかということだ。