3月10日、東京ドームで行なわれたWBCの1次ラウンド第2戦となる日本vs韓国。宿敵との一戦に会場は満員となり、ドームのグッズ売り場は早朝から売り切れていた。
試合はL.ヌートバー(25)や大谷翔平(28)などの活躍により、日本が13-4で快勝。試合終了後には東京ドームの正面入り口付近に観客や仕事終わりのサラリーマンが集まり、「ニッポン」コールや野球談議でおおいに盛り上がった。
「WBCの醍醐味はやっぱり韓国戦だと思う。入る熱が違うじゃないですか、負けたくないというか。今日はめっちゃ嬉しいですけど、韓国が2次ラウンドに来ないのは、それはそれで寂しいですけどね。もう日韓戦終わりなのって」(30代男性)
国の威信を賭けた戦いに沸いた一方で、異なる角度で観戦を楽しんだ女性ファンも多い。ドームから出てくる日本人の女性ファンに話を聞くと、ほとんどに「推し」の選手がいる様子。大谷のほかにも、特に中野拓夢(26)、宇田川優希(24)、大城卓三(30)を「推す」声が多く聞かれた。「拓夢を見に来ました」と話す20代女性が興奮気味に語る。
「拓夢、宮崎(での強化試合)の時から途中出場ばっかりで、ヒット打てずに『いらんやろ』とか言われてた。今日、あんなに早く(4回から)出てくるとは思ってなくて。心臓バックバクで何回も叫んでしまったけど、打った時は周りの人が『姉ちゃん、よかったな!』ってみんなで言ってくれました。
源田さん突き指らしくて、拓夢、これ明日スタメンあるんじゃないですか。めっちゃ楽しみやけど、こっちが緊張しすぎるからもはや出て欲しくないとまで思っちゃいます(笑)」
中野はシュアな打撃と俊足を売りに、昨年遊撃手として自身初のベストナインを獲得。初の代表入りとなった今回は正遊撃手・源田壮亮(30)のバックアップという立ち位置となっており、強化試合でも安打は出ていなかった。10日の試合では3回裏の日本の攻撃中、源田が走塁時に負傷し、4回表の遊撃の守備から途中出場。スリーベースを含む4打数2安打で、日本の勝利に大きく貢献した。源田の状況次第では、今後中野が遊撃手のレギュラーとして出場を続ける可能性は十分にある。
前出の女性は「技術は源田、顔は拓夢。今日は拓夢が日本の力になれてまじで最高です!」と言って笑って去って行った。
野球の楽しみ方も十人十色。チームの壁すら超える「推し」の力が、多様な野球ファンを生んでいることは間違いない。