ワールドベースボールクラシック(WBC)3大会ぶりの優勝を目指す侍ジャパンは1次ラウンドを4連勝で1位通過し、16日の準々決勝にコマを進めた。ラーズ・ヌートバーや 大谷翔平の活躍などで順調に勝ち星を積み重ねたが、思わぬアクシンデントも起こった。10日の韓国戦で、源田壮亮が右手を負傷。翌日に骨折が判明した。
「守備の要である不動のショート・源田の負傷は痛い。チェコ戦、オーストラリア戦で源田の代わりに入った阪神の中野拓夢は、今年から岡田彰布監督の意向でセカンドにコンバートされ、キャンプではショートの守備練習をしていなかった。チェコ戦で失点につながる悪送球があったように、やや不安は残ります」(野球担当記者。以下同)
故障者が出た場合、各ラウンド終了後に予備登録メンバーの中から入れ替えが可能となっている。一度、外した選手はその後、登録できない。源田は12日のオーストラリア戦の試合前、ノックを受けたが、打撃練習は行わなかった。試合後、白井一幸ヘッドコーチは「早い段階で試合復帰できるのではないか」と話し、入れ替えの可能性を否定した。
「準々決勝まで中3日あるとはいえ、スローイングする右の指を骨折したわけですから、出場できてもベストの状態とは言えない。無理しないほうがいいでしょう。首脳陣はキャンプから一緒にチームを作ってきた仲間を欠きたくないという心情もあるでしょう。しかし、このままプレーし続けたらケガが悪化する可能性も出てくる。
競技は違いますが、サッカーの日本代表があと一歩でW杯出場を逃した“ドーハの悲劇”のあったアジア最終予選で、ハンス・オフト監督はケガで起用できない状態にもかかわらず、完治のわずかな可能性に賭けて、左サイドバックの都並敏史を連れて行った。敗退後、この采配は疑問視されました。それほど当時の日本に都並の代わりがいなかったわけですが、今の日本野球はケガの源田を帯同させなければならないほど層が薄いわけではない。本当に優勝を目指しているのであれば、入れ替えを考えるべきだと思います」
これまで日本のショートといえば、巨人の坂本勇人が守ってきたが、昨年の度重なるケガもあって今年のWBCは辞退。ソフトバンクの今宮健太もシーズンを優先したと報じられている。
「本当なら、今宮が侍ジャパンのレギュラーでもおかしくなかった。昨年のベストナインですし、過去にゴールデングラブ賞を5回も獲っています。ただ、おそらく予備登録されていないでしょう。坂本や今宮が出られないとなれば、オリックスの紅林弘太郎、ヤクルトの長岡秀樹、広島の小園海斗などが候補になります。ただ、3人とも守備の安定感は、源田と比べると見劣りします」