現在開催中のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、異常な盛り上がりを見せている。9日の日本vs中国戦で視聴率41.9%を叩き出すと(ビデオリサーチ、関東地区)、10日の日本vs韓国戦では44.4%を記録し、その後のチェコ戦とオーストラリア戦でも40%台をマーク。昨年のサッカーW杯では、日本vsコスタリカ戦で42.9%を記録したが、いきなりその数字を上回り、決勝トーナメントではさらなる上積みが期待される。
「今回のWBCを中継するのはTBSとテレビ朝日。両局とも力の入れようはハンパなく、数週間前から侍ジャパンの選手の横顔を紹介したり、過去の大会の名場面を振り返ったり、大会を盛り上げるのに必死でしたが、何と言っても話題の中心は大谷翔平です。
大谷はメジャーリーグでも前代未聞の二刀流で成功を収め、2021年にはMVPも獲得。メジャーリーグ所属の選手はWBC出場を見送る例が多く、大会の盛り上がりに水を差すことが少なくありませんでしたが、今回は大谷やダルビッシュ有ら、超一流どころが参戦を決め、国をあげてのフィーバーとなっています」(エンタメ誌記者)
新型コロナの影響により、WBCが開催されるのは実に6年ぶり。間隔が開いたことも熱狂を呼んだ一因だと思われるが、ニュースターの出現がより一層、国民の興奮を誘っている。今大会の侍ジャパンは文字通りのドリームチームだが、代表メンバーが発表された際、多くの野球ファンが戸惑ったのが「ラーズ・ヌートバー」という名前。日本人の母親を持つヌートバーは日本では無名だったが、予選ラウンドではMVP級の活躍をして“時の人”となっている。
「順当にいけば、外野手は近本光司(阪神)や塩見泰隆(ヤクルト)などが選ばれてもおかしくありませんでしたが、栗山英樹監督はヌートバー選出について、『いろいろなところで野球をやっている人たちが集まることに意味がある』『スポーツは国境を超える』と述べ、野球のグローバル化を見据えた上での招集だったと語っています。
しかし予選ラウンド4試合のヌートバーの打率は4割を超え、3試合連続で打点も記録。打席に立った際には『ヌー』という声援が球場にこだまし、ヒットを打った際の『ペッパーミルポーズ』も大流行していて、もっぱらチームのムードメーカーになっており、大谷に並ぶ注目の存在になっています」(フリーのスポーツ記者)