国内

SNS検索世代を狙う闇バイト募集 「バイト」「高収入」そして手軽さを強調

通信アプリ「テレグラム」。全国で相次ぐ強盗事件を巡り、逮捕された複数の容疑者が、追跡が困難とされる通信アプリ「テレグラム」などを通じて指示役と連絡を取っていたとみられている(時事通信フォト)

通信アプリ「テレグラム」。全国で相次ぐ強盗事件を巡り、逮捕された複数の容疑者が、追跡が困難とされる通信アプリ「テレグラム」などを通じて指示役と連絡を取っていたとみられている(時事通信フォト)

 2022年から全国で発生している同一グループによる広域連続強盗事件の実行犯たちは、SNSでの闇バイト募集をきっかに犯行に及んだ。闇バイトには10代後半から30代の若者たちが応募し、犯罪に加担したことがわかっている。なぜ若者たちはSNSにおける闇バイトに応募してしまうのか。SNSにおける事件とトラブル実態に詳しい成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに聞いた。

 * * *
 広域連続強盗事件の実行犯たちが闇バイトに応募したのは、フィリピンから強制送還された「ルフィ」とみられる指示役が率いるグループのSNS募集がきっかけだったと言われている。

 応募後は、一定時間を過ぎると自動的に投稿が削除される機能のあるメッセージアプリ「テレグラム」でメッセージのやり取りがされた。テレグラムは匿名性が高く、特殊詐欺のやり取りの多くで使われている。

 テレグラムは削除された内容を復元しづらいという特徴があるが、一部未読のメッセージがあったため解析が可能に。今回の事件では、やり取りの履歴がすべて出たと言われており、復元できる可能性が高いようだ。

 実行犯たちは、民家に押し入って住民に暴行を加え、金品を奪っている。グループは、2018年11月から2020年6月までで約2300件の特殊詐欺事件に関わり、被害額は60億円以上に上る。

 なぜ若者たちは闇バイトに応募してしまったのだろうか。

求人サイトではなくSNSでバイト探し

 闇バイトでは「オレオレ詐欺」の受け子や出し子、違法薬物や口座の売買、強盗や殺人などが募集される。

「#受け」(※受け子)「#出し」(※出し子)「#タタキ」(※強盗)などとつけて、「#高収入」「#高額バイト」「#即日」などをうたい募集されることが多い。中には具体的な仕事の中身は明かさずに募集されているものもある。「家出」「借金」などの単語や人気のアニメ名などの検索されやすい文言を添えて、投稿の露出を増やす工夫も忘れない。

 大人の感覚では、バイトを探す際にはバイト求人サイトなどを調べるものだろう。しかし、「何かを探したい時はSNSを検索する」という若者は多いため、このような投稿を目にする機会も多くなる。その結果、高収入に釣られ、仕事の中身もよくわからないままに応募してしまう若者もいるのだ。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン