芸能

劇場版『「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌作詞作曲家が語るLiSAの「歌を演出する力」

歌手・LiSAの歌に対する意識の高さに驚いたと語る

歌手・LiSAの歌に対する意識の高さに驚いたと語る

 二〇二〇年の大ヒット映画『鬼滅の刃 無限列車編』のラストで主題歌「炎」が流れた際、多くの観客が感動することになるのだが、それはLiSAによるヴォーカルの力によるところも大きかった。作詞作曲を担った梶浦由記氏に、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がその魅力を聞いた。

 * * *
梶浦:LiSAさんは素晴らしかったですね。言葉の表現力が素晴らしい。歌い手さんには、はじめから歌い方を自身で演出するタイプと演出しないタイプがいます。この言葉をどうやって歌うとか、このロングトーンはここまで伸ばすとか、自分で全部決めてくる方とまったく決めてこない方。

 どちらか片方が正しいというわけではないんです。決めていない方には、こちらが決めてあげればいいだけなんですから。「そこの《か》っていう音はもっと強く歌って」とか「最後のロングトーンはもっと長く伸ばして」とか、伸ばしきれないんだったら、「じゃあ、このへんできれいに切ってみよう」とか。こちらで演出をつけて、一文字一文字を録っていくやりかたをします。LiSAさんは完全に自分で演出してくる方。その演出が完璧で、よくこれだけ突き詰めて歌を作ってくるなって、びっくりしました。

 はじめから完璧でしたね。びっくりするぐらいはじめから素晴らしくて。素歌を聴くと、ひと言ひと言が、どれだけちゃんと演出しているかって、すごくよくわかるんです。一つの言葉をどう歌うかっていうことを、ひと言ひと言ちゃんと全部考えて歌っているから、あんなに歌詞が聴こえてくるわけです。

――特に「炎」はバラード調なので、歌詞が歌にちゃんと乗っててほしいですからね。

梶浦:バラードって、何も考えずにきれいにふわっと歌っちゃうと、さーっと通り過ぎて、何も残らないんです。でも、あれだけ一つひとつの言葉を大事に歌っていただいて、素晴らしい収録でした。

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
NASAが発表したアルテミス計画の宇宙服のデザイン(写真=AP/AFLO)
《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
週刊ポスト
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト