国際情報

ウクライナから日本に避難してきた母子4人 コンビニや自販機での行動に見る「戦争の影響」

ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領(右)の出迎えを受ける岸田文雄首相[内閣広報室提供](時事通信フォト)

ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領(右)の出迎えを受ける岸田文雄首相[内閣広報室提供](時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ウクライナから日本へ避難してきた、ある母子の暮らしについて。

 * * *
 岸田文雄首相が3月21日、ウクライナを電撃訪問した。実際に現地入りするのは、日程調整だけでなく安全確保の面からも難しいと言われていたが、19日にインドを訪問するため専用機で飛び立った首相は、その足でウクライナに向かったのだ。

 戦争の地へ向かうのも大変だが、そこから逃れてくるのはさらに困難だ。2023年1月、ウクライナの首都キーウから3人の子供を連れて避難してきた女性は、成田空港に到着した時、心から安堵のため息が出たという。日本にいる知人のAさんを頼って避難してきたこの一家は、異国の地とはいえ、今ようやく落ち着いた日々を取り戻しつつある。

 キーウにある彼女の家には、地下に大きなシェルターがあるという。彼女の家を訪れ、そこに入ったことがあるとAさんは、その時の印象をこう語った。「ずっと戦争など起きていないのに、こんな大きなシェルターを作ってどうするんだろう。倉庫か貯蔵庫代わりに使うのか。日本人の感覚なら、自分の家の地下にシェルターを作る必要性など感じないし、無駄だと思う。だけどウクライナに住む彼女たちにはそれが普通。車でいうなら標準装備みたいなものだった」。

 見た時は、まさか本当にその家族がそこに逃げ込むような事態が起きるとは想像もできなかったという。

 父親は戦地に行ったという女性たち一家は、戦争が始まってからもキーウで生活を続け、爆撃が始まるとシェルターへ逃げた。一度逃げ込むと2~3日はシェルターの中でじっと耐えるしかなく、外とは音信普通になった。食べる物がなくなり、子供たちがおなかをすかせても命には替えられず、安全とわかるまで外には出られなかった。外に出ても街は断続的に停電になり、物資は不足。生活は不便だったが、それでも自宅で暮らすことを選び、なんとか子供たちと毎日を送っていた。

 女性が日本へ避難すると決めたのは、家から50メートルの場所が爆撃されたためだ。「すぐ目の前に爆弾が落ちた時はダメだと思った。さすがにもう頑張れない。子供たちのためにも、ここで頑張っていてはいけない」そう思ったという女性はAさんに連絡し、ウクライナ脱出を決意した。Aさんはすぐに女性と子供たち4人分の飛行機チケットを手配した。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン