侍ジャパンのWBC優勝の立役者となったのは、やはり大谷翔平(28)だった。投打でチームを引っ張り、文句なしのMVPに輝いた。
「エンゼルスで開幕投手が決まっていることもあり、もともと準決勝以降はマウンドに立たない予定でしたが、本人が球団と栗山英樹監督(61)に志願したようです。その熱意にフィル・ネビン監督(52)が折れて登板を認めたと聞いています」(スポーツ紙記者)
大活躍の大谷だが、この先懸念されるのが3月31日に開幕する今季のメジャーリーグでのプレーだ。大リーグ研究家の福島良一氏が語る。
「2009年の第2回WBC決勝で活躍したイチローは大会後に疲労で体調を崩し、初めて開幕に間に合わなかった。大谷も疲労の蓄積で開幕が心配されます。シーズン後にFAとなり総額6億ドル(約780億円)級の超大型契約が囁かれる大谷にとって今年は大事な1年で、好成績を残さないとFAの評価にかかわります。
また球団側も、7月末のトレード期限までにポストシーズン出場の可能性がなくなり、大谷がFAで移籍する可能性が高いと判断した場合は、シーズンの途中で将来有望な複数の若手と大谷をトレードする最悪のシナリオもある。そうした意味でも大谷がチームのスタートダッシュに貢献できるかは今季のメジャーで最大の注目点です」
WBCで評価が急上昇した3人の侍にも期待が高まっている。
「高額な長期契約を結んだパドレスのダルビッシュ有(36)はベテランとしてチームでは心配ないはず。一方、強豪カージナルスの期待の若手だったラーズ・ヌートバー(25)はWBCで株を上げて、今シーズンは不動の1番としての活躍が期待されます。古豪レッドソックスに移籍した吉田正尚(29)は当初は『1番レフト』の構想でしたが、WBC打点王の実績からクリーンアップを任される可能性も出てきた」(福島氏)
今季はWBCの余韻をずっと楽しめそうだ。
※週刊ポスト2023年4月7・14日号