国際情報

【ドバイに集うクセモノ日本人】UAEに引きつけられる世界中のグレーゾーンの人々

ヤバい日本人はなぜドバイに集うのか(写真=dpa=時事)

ヤバい日本人はなぜドバイに集うのか(写真/dpa=時事)

 国会の欠席を続け参議院から除名処分となったガーシーこと東谷義和氏(51)は、名誉毀損などの疑いで逮捕状を出されながら、いまだ拘束されていない。遠く、中東のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにいるからだ。

 ドバイに集うヤバい日本人は、彼だけではない。「秒速で1億円稼ぐ男」と言われた与沢翼氏などの元ネオヒルズ族や元赤軍派など、ガーシー一味を中心に、ドバイは日本の裏人脈の“梁山泊”となっていたのだ。富める者はますます富み、税負担の重い日本を脱出して自由を満喫する──ドバイには、日本の格差社会、拝金主義の一端が現われていると言える。朝日新聞ドバイ支局長としてガーシーに密着し始め、退職して『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』(講談社+α新書)を上梓した伊藤喜之氏が現地からレポートする(文中敬称略)。【前後編の後編。前編から読む

 * * *
 ドバイ在住歴が長い日本人コンサルタントの男性が言う。

「UAEは諸経費込みで1人当たり日本円100万円ほどあれば法人設立と3年有効のビザも取れてしまう。そして、コロナ禍でも国境を開放し続け、PCR検査だけで入国できた。同じくタックスヘイブンで人気があったシンガポールも2020年から外国人へのビザ発給を厳しくして高額の所得制限などをかけたり、コロナ禍の行動を厳しく制限したこともあり、UAEでは2021年初頭ごろから急激に暗号資産界隈の日本人が増えました」

 UAEが積極的に受け入れ策をつくり、暗号資産関連のスタートアップのために複数のフリーゾーン(経済特区)が整備され、バイビットやCrypt.com、バイナンス、FTXなどの大手暗号資産取引所も相次いで事業拠点をドバイに設けるようになった。

 その中には資金調達だけを目的とした未上場の暗号通貨で、最後まで上場することなく、調達できた資金だけを持ち逃げするような詐欺コインの事業者も流入していると指摘されているのもまた事実だった。

暗号資産でトラブル

 拙著でも、そんな詐欺コインを販売したなどと指摘されている人物を取り上げた。かつて与沢に師事する形で情報商材を売るネオヒルズ族として名を上げ、「SNSで年収2億」をキャッチフレーズに知名度を上げた久積篤史だ。彼はその後、情報商材の世界から転身し、2015年ごろから暗号資産ビジネスを手がけるようになっていた。

「PATRON」「CHIP」「BADGE」といった暗号資産トークンを発行するプロジェクトを主導したが、その後、コイン価格は暴落し、損失を出す人が続出し、一部で被害者の会が立ち上げられていた。日本警察や関東財務局からマークされていると感じた久積は2021年12月にドバイにやってきた。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン