炎上するプラットフォームはTwitter、Instagram、TikTokなど様々SNSに広がっている(イメージ、picturedesk.com/時事通信フォト)

炎上するプラットフォームはTwitter、Instagram、TikTokなど様々SNSに広がっている(イメージ、picturedesk.com/時事通信フォト)

 さらに、個人情報が特定されてさらされデジタルタトゥーとなったり、学校や会社などに通報されて停学や退学、退職処分。就活生の場合、内定が出ていたのに内定取り消し処分となった例もある。

 2013年頃には、Twitterでの不適切写真による炎上が続いた。バイトによる不適切投稿が多かったため、「バイトテロ」とも呼ばれた。それ以来、毎年のように炎上は続き、2021年にはInstagramでの炎上が増え、TikTokによる炎上も起きている。そのたびに訴訟なども起きており、毎回のように大きく報道されている。

不特定多数が見ると思わず”身内ウケ”で投稿

 YouTubeなどに残っている炎上した動画を見ると、その多くを友だちが撮影しており、「やば」「キャハハ」などの笑い声も入っている。撮影者が笑うと、それに反応するようにさらに新たな行動に出る。友だちの前だからこそ、そのような行動に出ている、つまり身内ウケのつもりで撮影しているのだ。

 昔から、友だちの前で粋がり、一人の時にはしない過激行動に及ぶ若者はいた。そもそもそのような行動自体いけないことだが、その場にいる人しか見ることがなく、残ることもなかった。迷惑だと叱られたときには関係者に謝罪し、現実的な弁償などを相談した。しかし今はそれを撮影、SNSに投稿するため、文字通り数え切れないほど多くの人が見ることになる。

 最近の炎上動画の多くは、Instagramのストーリーズに投稿されたものだ。しかも、フォローを許可制にした鍵アカウントで投稿されたものも多い。限られた友だちだけが見る場であり、24時間で消えるからと油断して投稿し、炎上につながっているのだ。多くの若者はSNSで友だち中心につながっており、フォロワーではない人が見る可能性をほとんど考えていない。

 2004年に米フェイスブックが開始し、同年に日本でもミクシィがサービス開始、2006年にはTwitterが始まった。今もよく使われるSNSが生まれてから19年経つ。Z世代の若者は、生まれた頃からSNSがあるネイティブ世代であり、投稿が当たり前の中で育ってきている。学校で友達からの注目を集めるために、少し変わった言動をしてみるというのは、昔も今も思春期ならよくあることだろう。その場所として日常使いするところを選んだ結果、SNSでは普通の投稿をしていては埋もれてしまい「いいね」が集まらないため、奇をてらったり過激なものを投稿しがちだ。

 SNSで友だちにウケるつもりで投稿したことが、他人にとっては不快な迷惑行為だったため、炎上につながっていると考えられるのだ。

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