警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ありとあらゆる契約書に定められている反社会的勢力の排除に関する条項、いわゆる暴力団排除条項に直面させられる外国人の戸惑いについて。
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3月に逮捕されたヤクザに対して、ネット上で同情するような声があがった事件がある。逮捕したのは愛知県警、逮捕されたのは六代目山口組傘下の2次団体、三代目司興業の町永拓彌副組長。容疑はスーパーのポイントカードに係る詐欺容疑だ。
詐欺といっても、誰かのポイントカードを無断使用したとか、ポイントカードを偽造して商品を購入したとかではない。名古屋市のあるスーパーで暴力団員であることを隠して、ポイントカードを申し込んだというのがその容疑だ。このカードの約款には反社会的勢力排除条項があったのだ。
このニュースが流れると、細かい字が並ぶ約款など目を通したことはない、わざわざ規約など読まないとか、店員さんに違いますよねと確認されて終わりだったというようなコメントがネット上で見られたのだ。逮捕された容疑者も反社とはいえ、まさかポイントカードが作れないとは思わなかったのかもしれない。条項があるという事実を知らなかったと供述したという。
銀行で新規に口座を開設する際や新規に携帯電話を購入する際は、必ず、反社条項もしくは暴排条項と呼ばれる反社会的勢力の排除に関する条項が含まれた契約書に署名する必要がある。契約を締結する際に、自分が反社会的勢力ではないことや、反社会的勢力に関係していないこと、暴力的な要求行為などをしないことなどを保証するものだ。今ではどこかの会員に新しくなろうとすれば、至るところでこの条項へのサインを求められるようになったため、反社会的勢力である暴力団組織の者たちは、店や会社側に署名が必要なのかどうか申し込む前に、確認することが多くなったと聞く。