ライフ

朝ドラ『らんまん』で注目!北海道から沖縄まで、自然の息吹を感じる全国の「植物園」

京都府立植物園

日本では希少な南米の植物「サイコトリア ペピギアナ」も栽培されている(京都府立植物園)

「雑草という草はない」とは、日本の植物分類学の父と呼ばれた牧野富太郎博士(1862〜1957)の名言だ。高知県の酒造業を営む商家に生まれ、独学で植物知識を身につけた博士の生涯が朝ドラ『らんまん』(NHK)で描かれ話題となり、植物園に注目が集まっている。芽吹きの春、植物の生命力を感じに出かけてみませんか──。

『らんまん』で天才植物学者を演じる神木隆之介(29才)が”植物&カメラライフ”を熱弁する(写真提供/NHK)

『らんまん』で天才植物学者を演じる神木隆之介(29才)が”植物&カメラライフ”を熱弁する(写真提供/NHK)

「朝ドラ『らんまん』の反響が大きく、全国の植物園で牧野富太郎博士にちなんだイベントが企画され、すでに行われているところもあります」

 そう語るのは、日本植物園協会専務理事の倉重祐二さん。

「牧野博士は全国各地を巡り、国内で発見した新種の植物に名前をつけました。たとえば仙台市で発見した『スエコザサ』。これは亡き妻の名前にちなんで名付けたもの。それ以外に、高知県に自生しているジョウロウホトトギスや新潟県の瀬波海岸で見つけられたセナミスミレなどもそうです」(倉重さん・以下同)

 植物園は日本全国に120園ほど存在するが、その形態はさまざまだ。

「それぞれの園が展示内容に趣向を凝らしています。“なぜその地域でその花が育ったのか”“名前の由来は?”など、解説も充実しています。植物栽培に関する相談コーナーや、専門スタッフによるガイドツアーなども人気です」

 そこで、注目が集まる全国の植物園を紹介しよう。(※開園時間、休園日は季節やイベントによって異なる場合があります。詳細は各施設に問い合わせください)

●高知県立牧野植物園(高知県)

 牧野博士の業績を顕彰した植物園。4月には、博士が27才のときに、日本人で初めて国内の植物に学名をつけた「ヤマトグサ」が見頃を迎える。「そのほか、牧野博士が実際に使った研究道具やノート、日記などの遺品類がそろう展示館では、博士の息遣いが感じられます」(倉重祐二さん・以下同)。

住所:高知県高知市五台山 4200-6
営業時間:9〜17時(入園は閉園30分前まで)
休園日:年末年始ほか
料金:一般730円、高校生以下無料

●京都府立植物園(京都府)

桜は4月中旬まで楽しめます

樹木医・中井貞さん。桜は4月中旬まで楽しめます

「大正13年に開園した日本最古の公立総合植物園で、桜の名所として有名です」。約1万2000種類の花や木が観賞できる。中でも春は、桜とチューリップのコントラストが圧巻。日本最大級の回遊式観覧温室には、下向きに咲くことから「貴婦人の耳飾り」といわれる中南米の植物「フクシア」など、珍しい植物も見ることができる。

住所:京都府京都市左京区下鴨半木町
営業時間:9〜17時(入園は16時まで)、観覧温室は10〜16時(入室は閉園30分前まで)
休園日:年末年始
料金: 一般200円、高校生150円、中学生以下無料(温室は別途、入園料と同額の観覧料が必要)

●神代植物公園(東京都)

4月中旬から見頃を迎えるサクラソウ

4月中旬から見頃を迎えるサクラソウ

 東京を代表する総合植物園。「バラや桜、ツツジ、ダリア、ツバキなど、昭和36年の開園当時から時間をかけて収集されたコレクションは見応え充分です」。特に正門付近に植えられたツツジの大群は280品種、1万2000株と、ほかに類を見ない規模。4〜5月にかけてはミツバツツジやクルメツツジ、ヒラドツツジなどが花開く。

「さくらそう展」(4月13〜23日まで)では、天保年間の記録『櫻草作傳法』に基づき復元した「桜草花壇」などが展示される

「さくらそう展」(4月13〜23日まで)では、天保年間の記録『櫻草作傳法』に基づき復元した「桜草花壇」などが展示される

クルメツツジなど約280品種、約1万2000株が植栽されるツツジは、例年4月中旬〜下旬に花盛りを迎える

クルメツツジなど約280品種、約1万2000株が植栽されるツツジは、例年4月中旬〜下旬に花盛りを迎える

住所:東京都調布市深大寺元町5-31-10
営業時間:9〜17時(入園は16時まで)
休園日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始
料金: 一般500円、65才以上250円、中学生200円(都内在住・在学の場合は無料)、小学生以下無料

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン