開幕早々「SHO-TIME」に酔いしれることとなった。WBC優勝後も絶好調の大谷翔平(28)の注目度は増すばかり。「もっともっと知りたい!」という声にお応えして、現地の番記者たちを直撃。彼らが語る大谷の素顔とは──。
「メジャーでも唯一無二の選手と専門家は評価しています。WBC決勝で対戦したエンゼルスの同僚のマイク・トラウト(31)も『彼には弱点がない』と驚いていたよ。次に大谷のような選手が出てくるまで、あと100年は待たないといけないだろうね」
そう笑顔で語るのは、カリフォルニア州アナハイムの地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』の記者、ジェフ・フレッチャー氏だ。大谷のエンゼルス入団当初から取材する生粋の番記者である。
WBCにおける活躍で、米国でも大谷の注目度は高まる一方だ。
フレッチャー氏と同じ地元紙の記者で『ルポ 大谷翔平』(朝日新聞出版刊)の著書があるトム・シムラ氏が語る。
「彼の二刀流での活躍はアメリカでも“異次元”と捉えられていますが、その凄さを野球ファン以外にうまく伝えるのが難しいですね。過去にイチローや松井秀喜ら多くの日本人選手がメジャーで活躍しましたが、大谷の評価は群を抜いています。日本人の枠を超えて“メジャー史上最高のプレーヤー”“野球界の顔”との声もあるほどです」
米国人ジャーナリストで『大谷翔平 二刀流の軌跡』(辰巳出版刊)の著者のジェイ・パリス氏もこう評する。
「大谷は同世代の野球選手たちを導く“光”であるだけではない。彼のグラウンド内外での立ち居振る舞いは、人間として模範的です。ファンにとってもお手本にすべき存在と言えるでしょう」
現実に大谷は野球というジャンルを超えて、米国スポーツ界で特別な存在になっている。
2021年、米誌『タイム』は「世界で最も影響力がある100人」に大谷を選出。2022年には米スポーツ専門チャンネル「ESPN」による年間表彰では最優秀男性アスリート賞に輝いた。
さらに米誌『フォーブス』は、今年の大谷の年収が650万ドル(約85億円)に達し、MLB選手の総収入ランキングでトップに立ったと報じた。
独占取材は受けない
大谷は野球選手としての実力とともに、人間性も高く評価されてきた。フレッチャー氏が大谷の「素顔」を語る。
「大谷はこれまで出会った野球選手のなかで最も謙虚です。スーパースターなのに横柄さを感じさせない。普段からとても礼儀正しく几帳面で、チームメイトとも仲良くしています」
シムラ氏も大谷の人柄をこう感じているという。
「私生活でも浮いた話は一切なく、野球にしか興味がないといった感じです。“自身が理想とする野球に邁進する選手”と米メディアでも見られています」