スポーツ

元騎手・蛯名正義調教師が語る3歳馬の晴れ舞台、桜花賞と皐月賞 それぞれの見どころ

基礎負担重量の引き上げがどう影響するか

今年の桜花賞と皐月賞をどう見る?

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動している。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、春のクラシック競馬についてお届けする。

 * * *
 今週からはいよいよ3歳クラシック。9日には阪神競馬場で桜花賞が、16日は中山競馬場で皐月賞が行なわれます。2020年に生を受け、昨年6月以降にデビューした馬たちにとって一つの区切り。同じ年に生まれた7500頭ほどのサラブレッドのうちゲートインできるのは、牡牝それぞれ18頭だけです。出走する陣営には心から敬意を表したいと思いますし、僕自身観るのがとても楽しみ。じっくりと観戦させていただきます。

 僕にとって今年の3歳馬は調教師として初めて自分がセリで選んだり、僕に期待をかけてくださった馬主さんから依頼されたりした馬。晴れの舞台を踏ませてあげたかったのですが、クラシックへの道はなかなか大変なことを実感しました。でもまだあきらめていませんよ!

 僕は2014年に、重賞を2勝していたイスラボニータで初めて皐月賞を勝たせてもらいましたが、この時の相手はオープン特別や重賞を勝っていながらトライアルでもしっかり連対を確保しているような馬ばかり、まさに皐月賞で「激突」した感じでした。イスラボニータは5戦4勝で、唯一敗れた相手がハープスター。この馬を新潟2歳ステークスで見た時は、そのオーラに圧倒されたものです。ああ、こういう馬がクラシックを勝つんじゃないかなあと思ったら、その通り桜花賞馬になりました。

 さて、今年の桜花賞は、出走できる馬のボーダーラインが高くて、最終登録の段階で2歳GI2着馬が除外対象になっていました。近年、早い時期に重賞を勝つなどして春のクラシックに出られそうだとなると、じっくり充電して本番まで使わない傾向が強いかもしれません。その結果、トライアルでは実績のない馬が優先出走権を獲得。オープン勝ちや重賞2着があるだけでは、出られなくなってしまったという感じじゃないかと思います。特に牝馬はフケ(発情)の期間があるので、本番前に使うかどうかというのは厩舎としても判断が難しいところかと思います。

 出走馬の収得賞金が高いので一見、全体のレベルが高いように見えますが、実は重賞やオープンレースの勝ち馬が分散したということも考えられますね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン