臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日系)に本格復帰したテレビ朝日の玉川徹氏に求められていることについて。
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4月3日、『羽鳥慎一 モーニングショー』のレギュラーコメンテーターとして玉川徹氏が復帰した。2022年9月の同番組で、菅義偉前首相が安倍元首相の国葬で読んだ弔辞を政治的意図があると事実と異なる発言をして炎上。その後、10日間の出勤停止処分と出演禁止となりレギュラーを降板。最近は現場取材とその報告とともにコメンテーターの席に座っていることも増えていた。
復帰にあたり玉川氏は「この半年、原点に立ち返り取材を続けてまいりました。今後も取材というインプットを大切にして、放送というアウトプットを続けていきたいと思っています」と挨拶。わずか半年での本格復帰に批判の声や異論もあるだろうが、いくつかのメディアでは玉川氏のレギュラー復帰を望む声が多数だったと報じていたほどだ。ネットには玉川氏の復帰を歓迎するコメントが並んでいた。
玉川氏の復帰は個人的に歓迎だ。視聴者が望んでいたのと同様、この番組ならではの彼のズバズバと歯に衣着せぬコメントが聞きたいと思う。玉川氏がいなかった半年の『モーニングショー』は、辛みの抜けたワサビというか、色だけ辛そうなカラシというか、ツーンとこないマイルドな味わいの番組という印象だった。玉川氏の発していたコメントの辛さと刺激を知っているだけに、それが味わえないと見ていてやはり物足りなかったのだ。