新宿・歌舞伎町のいわゆるメンズコンセプトカフェである「NAカフェ」で、未成年の少女に高額な酒を提供したなどとして、4月1日、同店経営者の畑中卓也容疑者(41)と元従業員の男(20)が、風営法違反容疑で逮捕された。NAカフェは、小規模なライブやイベント活動をする男性グループ「メンズ地下アイドル」が従業員を務める店。同店では1月にも、未成年の少女に複数回みだらな行為をした疑いで、従業員2人が逮捕されたばかりだった。
「逮捕容疑は昨年の1~2月、未成年の少女にスパークリングワインやシャンパンを提供したというもの。当時17歳の少女が『来店1ヵ月記念のお祝いで注文する約束をしていた』と、30万円のシャンパンを注文したといいます。警視庁は、店の売り上げのうち、約8割が未成年への酒の提供など違法な行為で占められていたとみています」(全国紙記者)
「メンズ地下アイドル」は「アイドルの卵」として、コンセプトカフェなどで働くケースが多い。直接話す機会があるなど距離が近く、女子中学生、高校生を中心に人気が高まっている一方で、被害相談の件数も増加している。歌舞伎町のメンズ地下アイドル事情に詳しいライターの佐々木チワワ氏が語る。
「中学生や高校生はホストクラブに行けないので、メンコン(メンズコンセプトカフェ)で“推し活”にハマるケースが多い。制服姿で店舗に訪れる未成年客も多くいます。メン地下(メンズ地下アイドル)は『俺がアイドルになるために力を貸してほしい』と女の子を煽り、貢がせる。未成年の中学生や高校生はお金を工面するために、援助交際やパパ活でお金を稼ぐことになります」
逮捕の現場となった「NA」の料金形態はどうなっていたのか。メニュー表を見ると、「高級シャンパン」として最高38万5000円のシャンパンメニューが並ぶ。また「ポイント特典」のページには、1000ポイントで「プラネタリウム」、1500ポイントで「ディズニーランド」、2000ポイントで「シークレット」などの「ごほうび」が受けられると書いてある。「NA」に行ったことがある女性客によると、「1000円のチェキ(写真)を1枚買うと1ポイントがもらえる仕組み」になっているという。
「ポイントが貯まる期限を1か月にするなど、未成年に継続して貢がせる構造ができている。『売掛』といういわゆるツケ制度を使って、ツケにしてから稼いで支払う客も多いです。未成年にその判断力があるのかは疑問で、キャストはその考えの甘さにつけ込むケースも多い」(佐々木氏)
また好意を逆手にとられ、わいせつな行為を求められるケースもある。1月に従業員2人が逮捕されたケースでは、店内の「VIPルーム」と呼ばれる場所で、高校3年生の少女とキャストが、合計4回性行為をしていたとされる。逮捕されたひとりは警察の調べに対し、「虜にして売上を上げたかった」と供述しているという。