2023年シーズンが開幕したプロ野球。注目度が高い巨人と阪神を比較すると、今年のペナント予想では「阪神優勝」を推す評論家が多い。一方で、巨人については、識者の評価が芳しくない。両軍ベンチの雰囲気も対照的だという。
今シーズンの阪神は、試合中に岡田彰布監督(65)が笑顔でサインを出す場面が見られるなど、番記者からは「これまで以上に良い空気だ」との声が聞こえる。
「昔の岡田さんはピリピリして選手と一切話さなかったけど、今は選手のいるところに顔を出して積極的に声をかけています。押しつけがましい指導もなく、佐藤(輝明、24)や大山(悠輔、28)は納得して打撃フォームの改造に踏み切りました。年齢を重ねて丸くなった岡田監督について、選手はみんな『意外と接しやすい』と歓迎しています」(在阪スポーツ紙記者)
一方の巨人は、原辰徳監督(64)の「ある発言」を巡ってチームに不穏な空気が広がったという。民放テレビ記者が語る。
「開幕2戦目、抑えの大勢(23)をベンチから外した理由を問われた原監督は、『投げられない人をベンチに入れる余裕はない』と発言しましたが、直後に選手から『あれはないよな……』という声が漏れました。調整を任せたのに故障した菅野(智之、33)と違い、大勢はWBCで日本のために懸命に投げて少し調子を落としただけ。それなのに原監督には寄り添う気持ちが感じられません」
坂本を切れるか
巨人と阪神の「監督力」の違いは随所に表われていると巨人OBでご意見番として知られる広岡達朗氏は語る。
「監督に必要なのは、“この人の下でやれば間違いない”と選手に思わせること。岡田監督はポジションをコロコロ変えず、大山をファースト、佐藤をサードに固定し、中野(拓夢、26)をセカンドにコンバートしてセンター近本(光司、28)、キャッチャー・梅野(隆太郎、31)とセンターラインをガッチリ固めました。守備力を重視する強い信念に基づく采配です。これで守りに対する選手の意識も変わり、5年続いた失策のリーグワーストを返上できるでしょう。
対する原監督はスタメンや守備位置をたびたび変更するなど采配に一貫性がない。これでは選手がついてきません。岡田監督を見習うべきです」