伊賀瀬医師によると、ジャンプで血圧が下がるメカニズムは、いくつかの観点から医学的に説明できるという。
「まずは、ジャンプによる『心肺機能の強化』と『ふくらはぎへの刺激』がもたらす血流の改善です。血流がよくなれば血管内壁にかかる圧力が減り、血圧は徐々に下がる。また、血流改善・筋肉収縮で産生される『血管内の降圧物質(一酸化窒素)』の増加でさらに血流が改善し、降圧効果を高めることが期待されます」
ジャンプで内臓脂肪を効率よく減らすことで、血圧を上げる悪玉物質(アンジオテンシノーゲンなど)の分泌抑制も期待できるという。
降圧効果が見られ、気軽に取り組める8秒ジャンプだが注意点もある。
「特に高齢の方の場合は、血圧の変動が大きくなりやすい起床直後と、安眠を妨げるリスクのある就寝直前はお勧めしていません。それ以外の時間で、気付いた時にできる回数から始めてください」
足首や膝を痛めないための準備運動も大切だ。
「跳ぶ前のアキレス腱伸ばしや足首回し、膝の屈伸と膝回しも丁寧に行なってください。いきなり頑張るのではなく、無理のない範囲で楽しむことが重要です」
シンプルだが降圧効果が期待できる8秒ジャンプ。試す価値は十分ある。
※週刊ポスト2023年4月21日号